Research Abstract |
平成20年度は,デッサン学習支援環境の構築に関しては,以前構築した,領域情報提示システムが,最初からモチーフの輪郭線に関する情報を提示していたが,これでは,初心者にとっては,描きづらいことが判明したため,支援方法を改良することにした.具体的には,いきなり輪郭線を描かせるのではなく,モチーフの概略形状から詳細形状へと,描画を誘導する。すなわち,モチーフの概略形状として,モチーフの形状の外接長方形を描かせ,その外接長方形の位置,大きさ,縦横比を診断し,誤りがあれば,システムが音声でそれを指摘し,修正方法を伝える。モチーフは皿とコップの組み合わせを用い,最初は,全体の外接長方形,次に,皿の外接長方形,コップの外接長方形,さらに,その次は,皿の縁の楕円の外接長方形,コップの縁の楕円の外接長方形というように概略形状から詳細形状へ描画を誘導し,診断し,助言を行う.この学習支援環境を使用した場合と,使用しなかった場合とで比較実験を行い,皿の描画については,有意に学習効果があることを証明した. 次に,運動学習支援環境の構築に関しては,手初めとして,学習者の身体の各部に無線加速度センサセットワークデバイスであるSunSpotを装着し,それら身体各部の加速度データを背中のリュックサック内に収めた小型ノートPCに蓄積するシステムを構築し,そのデータを事後にグラフ化するシステムを構築した.このシステムで,テニスのスウィングフォーム,野球のバッティングフォーム,ランニングフォームの分析を試みた.
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