2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300294
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
小川 博司 Saga University, 名誉教授 (10039290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 久伸 福岡大学, 理学部, 教授 (50078581)
平井 昭司 東京都市大学, 工学部, 教授 (30112981)
青木 歳幸 佐賀大学, 地域学歴史文化センター, 教授 (60444866)
梶原 良則 福岡大学, 人文学部, 教授 (20233728)
長野 暹 佐賀大学, 名誉教授 (80039221)
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Keywords | 反射炉 / 鉄製大砲 / 蒸気船 / 洋鉄 / 和鉄 / PS及びX線吸収分析法 |
Research Abstract |
1、平成20年度までに収集した築地と安心院の反射炉跡地で出土した鉄片の分析をXPS及びX線吸收分析法を用いて行った。分析結果は、いずれも鉄製大砲の材料とは言い難いと結論された。史料分析で佐賀藩鋳造の鉄製大砲の原料について和鉄説と洋鉄説があり、史料分析のみでは結論が出せないでいたので、一つの解明がなされた。しかし、分析資料が限定されていたことから、更なる調査と分析が必要とされている 1、佐賀市が実施した世界遺産登録を目指しての築地・多布施両反射炉・佐賀藩海軍所精煉方跡地の発掘に際して色々と助言した。築地反射炉跡地では、鉄滓の層、多布施反射炉では鋳坪が出土した。これらは佐賀藩が推進した鉄製大砲の鋳造・蒸気船の建造について貴重な資料であるので、理工学的分析と文献資料の解明を平成22年に集中的に行う体制を整えた。 1、小田原・富山生地・長崎四郎島・品川の砲台跡地の調査を行い、規模・機能・保存状況などを検討した。 1、佐賀県・佐賀市と共同して行った世界遺産シンポジュムでは、築地・多布施両反射炉の分析結果を報告した。理工学的分析結果について関心が集まった。1、『幕末佐賀科学技術史研究 第5号』を刊行し、築地・多布施両反射炉の鉄片の分析・四郎島台場の建設過程についての論稿を掲載した。 1、中国社会科学院世界経済政治研究所と清華大学工学系・人文系の研究者と共同研究会を北京で開催し討論した。平成22年度について19世紀後半期の大砲鉄の分析を行う段取りを定めた。 1、幕末佐賀科学技術史研究会を6回開催し、佐賀藩が幕末期に遂行した諸事業について解明を進めた。佐賀地域での佐賀藩台場の発見・幕末期佐賀藩の台場絵図の分析・熊本実学党と佐賀藩士との交流などが報告された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
青木歳幸, 野口朋隆
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Journal Title
『小城藩日記』にみる近世佐賀医学・洋学史料(後編)(佐賀大学地域学歴史文化研究センター)
Pages: 1-371
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