2009 Fiscal Year Annual Research Report
文化財輸送の基礎的研究 -輸送時に与えるストレスの解析と防振輸送台の開発-
Project/Area Number |
19300302
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Research Institution | Gangoji Research Institute of Archaeology, Cultural Anthropology, and Conservation Science |
Principal Investigator |
雨森 久晃 Gangoji Research Institute of Archaeology, Cultural Anthropology, and Conservation Science, 研究部, 研究員 (70250347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 敏夫 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (30241269)
川本 耕三 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (10241267)
高橋 平明 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (60261210)
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Keywords | 文化財 / 美術品 / 免震装置 / 輸送 / ばね / 振動 / 美術品専用車 / 意識調査 |
Research Abstract |
平成21年度は研究計画最終年度であった。当該研究には美術品(文化財)所蔵施設の実務者を対象とした美術品(文化財)輸送に関する意識調査と文化財輸送用免震装置(防振パレット)の開発との2つの柱がある。その1つである実際に美術品(文化財)を輸送するためのシステム作りとして進めてきた文化財輸送用免震装置(防振パレット)の開発に伴う実走行試験のまとめにあたった。 文化財輸送用免震装置(防振パレット)の開発目的は、従来安全とされてきたエアーサスペンション仕様の美術品輸送車においても道路状況や運転者の技量により大きな加速度が発生することが確認されたため輸送時により安全に美術品を輸送する手段として、免震技術を応用した輸送専用防振台が必要と考えたからである。実走行実験においては、運転技量により荷室に発生する加速度の測定を行い、一般運転手と美術品輸送専門のベテラン運転手の場合を計測した。結果、相対的には慣れから来る運転の荒さで一般運転手に比べベテラン運転手の方が加速度の変異が大きい結果となった。しかし、ギアチェンジにおいてはベテラン運転手の方がスムースで変異の無い運転であった。このことからギアチェンジでは緩やかな加速を心掛け、慎重な運転を行うことにより、大きな加速度が生じない運転が可能となることが判明した。防振輸送台の開発では、元有の美術品輸送専用車での実走行実験を行い、今年度は(1)トーションばねと引張ばね(2)コイルばねと粘性ばね(3)トーションばねそして、(2)の粘性ばねの粘性を変えたものの合計4水準により行い、パレット上には仮想積載物として20・60・90のウエイトを設置し、その防振性能を計測した。結果は、(2)のコイルばねと粘性ばねの併用が左右・鉛直方向ともに振動を抑え、特に10Hz以上では良好な結果となった。しかし、1~2Hz近辺の成分が多くなっている部分も見られるため、更なる検討が必要であることも判明した。
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Research Products
(4 results)