2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300304
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田瀬 則雄 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40133011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻村 真貴 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (10273301)
笹 公和 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (20312796)
藪崎 志穗 立正大学, 地球科学部, 助手 (60447232)
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Keywords | 滞留時間 / CFC / 塩素36 / 年代測定 / トリチウム-ヘリウム法 / 富士山 / 湧水 / 地下水流動系 |
Research Abstract |
本研究では、富士山を主な研究地域とし、複数のトレーサーを利用した年代測定法<CFC法、トリチウム-ヘリウム法、塩素36法>を確立、適用し、地下水、湧水の絶対年代を求めることを目的としている。これらの3つの方法で、同一のサンプルを測定し、各測定法の精度、長所、短所を明らかにし、これを元に富士山の地下水流動系を解明する。 20年度は、36Cl法、CFC法については、前処理方法、分析精度の確立がほぼできたので、解析に必要な濃度の時系列の精度を向上させるため、できるだけローカルな分析値を収集するとともに、降水や大気中の濃度を分析した。フロンガスによるCFC法の採水、分析法をほぼ確立し、いくつかの地域で分析、推定した年代/滞留時間はこれまでの研究とほぼ整合したが、対象地域のフロン濃度の時系列の推定方法の重要性が判明した。 トリチウム-ヘリウム法の適応は、ヘリウムガスの分析を行い、火山起源のヘリウムの寄与なども検討したが、トリチウムの分析が未完のため、年代の推定は次年度となった。 富士山山麓において、数十地点で一般水質、水素・酸素安定同位体などを分析するとともに、塩素36、CFCの分析を行い、十数年〜50年以上という滞留時間の推定値を得た。推定値はこれまでの報告値とほぼ一致したが、一部の地域では、整合性のない推定値が得られ、供給源の検討や、地下水流動系と合わせて考察することが必要である。また、地表起源の硝酸イオンと窒素安定同位体を分析することにより、浅層と深層地下水の混合メカニズムを評価した。
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Research Products
(9 results)