2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19310003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
濱 健夫 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (30156385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 雅男 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 主任研究員 (70354553)
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Keywords | 溶存態有機物 / 腐植物質 / 海洋炭素循環 / 西部北太平洋 / バクテリア生成物 / 固相抽出 |
Research Abstract |
海洋の炭素循環において重要な役割を果たしていると予想される海洋腐植物質について、(1)抽出・濃縮法の検討、(2)西部北太平洋域における腐植蛍光強度の時空間的分布、および(3)バクテリアによる海洋腐植物質生成実験、について研究を行った。 固相抽出カートリッジを用いた抽出・濃縮では、海水に存在する腐植蛍光強度の50%を回収することが可能となった。また、この際に脱塩も効率的に行われるため、高速液体クロマトグラフによる分析においてもそのまま使用することができ、多量の試料を短時間で処理する方法を確立することができた。 西部北太平洋域において4月、6月、10月、1月の年四回の試料採取を実施した。得られた試料について、海洋腐植物質が有する蛍光強度の測定を行い、その時空間的変動を明らかにした。この結果、蛍光強度は表層動と良い関係を示した。これより、腐植物質の蛍光が表層付近において、光分解を受けている結果により生じていることが強く示唆された。 炭水化物を基質として用いたバクテリアの培養試料において、海水に存在する腐植物質と同等の分子量を有する腐植物質の生成が確認された。これにより、海洋腐植物質の生成要因として、バクテリアによる生成が重要な役割を果たしていることが示唆された。 これらの成果は、2008年3月にアメリカ合衆国オーランドで開催されたOcean Sciences Meetingにおいて、1件の口頭発表と1件のポスター発表を通して発表した。また、日本海洋学会2007年度秋季大会および2008年度春季大会において合計4件の口頭発表を行っている。
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Research Products
(6 results)