2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19310003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
濱 健夫 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (30156385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 雅男 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 主任研究員 (70354553)
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Keywords | 溶存態有機物 / 腐植物質 / 海洋炭素循環 / 西部北太平洋 / バクテリア生成物 / 固相抽出 |
Research Abstract |
海洋の炭素循環において重要な役割を果たしていると予想される海洋腐植物質について、(1)固相抽出法により得られた画分の分子量組成とその時空間的変動、(2)海洋腐植物質の光分解による組成変化について検討した。 (1)固相抽出法で得られた画分の分子量組成とその時空間的変動 固相抽出法で得られた海洋腐植物質について、高速液体クロマトグラフを用いて分子量により分画したところ、季節、深度に関わらず3つの主要なピークが認められた。この3画分の組成は深度により明確な変動が認められ、特に高分子量画分の占める割合が深度の増加とともに増加する傾向にあった。これは、高分子量画分の腐植物質の蛍光が光分解を受けている可能性を示唆している。また、季節により増減する表面混合層内に存在する海洋腐植物質では高分子量画分の割合が少なく、混合層内に存在する腐植物質は一様に光分解を受けている事が予想される。 (2)海洋腐植物質の光分解による組成の変化 西部北太平洋の深度1000mから得られた海水試料について、自然光を用いた光分解実験を実施した。その結果、実験開始時の腐植蛍光強度の75%が1日で消失した。また、固相抽出画分(疎水性画分)と非抽出画分(親水性画分)では、親水性画分の蛍光強度の低下が著しく、1日で80%以上の低下が認められた。一方、固相抽出画分では3日後においても、実験開始時の蛍光強度の約50%が残存していた5この様に、海洋腐植物質の光分解性は、化合物画分により大きく異なっていることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)