2007 Fiscal Year Annual Research Report
扇状地における水循環構造の変遷と水資源利用秩序の再構築に関する研究
Project/Area Number |
19310004
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
唐 常源 Chiba University, 大学院・園芸学研究科, 教授 (80251198)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐倉 保夫 千葉大学, 理学研究科, 教授 (70153947)
近藤 昭彦 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (30201495)
|
Keywords | 物質循環 / 扇状地 / 水文環境 / 地下水年齢 / CFC |
Research Abstract |
本研究は,過去半世紀,人間活動の最も激しい地域の一つである中国華北の扇状地に焦点を絞って,マルチトレーサーなどの手法を駆使し,地域の水循環及び物質循環経路を調べることより、乾燥半乾燥気候条件下で扇状地の水循環構造および人間活動に起因する構造改変メカニズムを解明することを目的とする。今年度は流域における水循環現状の把握および地下水のCFC濃度分析方法の確立について研究を実施した。 ●地域の水循環現状調査華北平原の地下水涵養域である太行山に沿って、多くの扇状地が形成されている。今年度は新郷、石家庄および保定地域を選び、扇状地の地表水,湧水及び地下水を採取し,主要化学成分及び窒素,酸素,水素同位体分析を行った。水の化学成分分析にはICP,イオンクロマト及びガスクロマトを,安定同位体分析は質量分析計をそれぞれ使用した。その結果、過去半世紀にわたって、扇状地の地下水位の低下は石家庄および保定地域で顕著に見られた。一方、新郷地域で農地灌漑には黄河の水が使われている。その影響で灌漑地域の地下水質は確実に変わってしまった。 ●地下水中のCFC分析手法の確立文献調査を通じ,地下水中のCFCsに関する研究現状および問題点を整理した。それに基づいて・陸水のCFC濃縮ラインを試作し,取得した水サンプルの前処理を行い,ECD検出器付きガスクロマトグラフを用いて,CFC濃度分析を行った。この手法を用いて・保定地域の扇状地から採集した地下水CFCを測定し・概ねよい結果が得られた。これら一連の過程を通して,CFCを用いた滞留時間推定に関する,サンプリング前処理-分析スキームを確立した。
|