2009 Fiscal Year Annual Research Report
扇状地における水循環構造の変遷と水資源利用秩序の再構築に関する研究
Project/Area Number |
19310004
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
唐 常源 Chiba University, 大学院・園芸学研究科, 教授 (80251198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐倉 保夫 千葉大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70153947)
近藤 昭彦 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (30201495)
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Keywords | 物質循環 / 扇状地 / 水文環境 / 地下水年齢 / CFC |
Research Abstract |
本研究は,中国半湿潤・半乾燥地域である華北平原西側に位置する黄河扇状地、太行山扇状地およびその両者からなる複合扇状地を対象として、人間活動影響の大きい扇状地における水循環・水質進化プロセスを明らかにすることを目的とする。今年度は流域における水循環現状の把握および地下水のCFC、流域内の富栄養化元素であるリンや窒素、POPs汚染状況調査を実施した。 ●地域の水質現状調査 太行山、黄河および灌漑の影響を受けて、扇状地での地下水流動および水質進化が複雑な様子を呈した。また、経済発展に伴い、扇状地の水質も大きく変化した。特に黄河扇状地である賈魯河流域では、地下水および河川水には溶存酸素が低く、アンモニア窒素、硝酸窒素およびフェノール類物質が検出された。また、河川底質におけるリンやフェノール類物質分布は流域の洪水頻度と関連していることが推定された。 ●扇状地地下水の年齢推定 CFCおよびSF_6の分析データとトリチウムの分析結果を比較し、CFCおよびSF_6よる地下水年齢推定精度が確認された。淮河上流における黄河扇状地の一つである賈魯河流域では、浅層と深層地下水年齢はそれぞれ30年以内と40年以上であることが分かった。また、同様な方法で、千葉県市川市、千葉市、松戸市における低地湧水の年齢を測定したところ、台地における地下水の滞留時間はおよそ20~30年である結果が得られた。
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