2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19310037
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田代 聡 Hiroshima University, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20243610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 継英 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (80397926)
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Keywords | 放射線応答 / ゲノム修復 / クロマチン構造 / 細胞核高次構造 |
Research Abstract |
本研究では、我々が開発した紫外線レーザーマイクロ照射法を用いることにより、ゲノム損傷に応答して形成されるさまざまな放射線誘発核内フォーカスの構造とその動態とゲノム損傷によるクロマチンの構造変化およびその構成成分の動態に焦点を当て、ヒト細胞の放射線応答機構の解明に取り組んでいる。前年度には、ゲノム修復の相同組換え修復において中心的な役割を果たすRAD51がゲノム損傷領域に核内フォーカスを形成するためにヒストンH2AXのアセチル化およびユビキチン化修飾が重要であることを明らかにした。そこで、本年度はRAD51の蛋白質翻訳後修飾機構がRAD51のゲノム損傷領域での核内フォーカス形成に関与しているかについて紫外線マイクロ照射法などを用いた検討を行った。その結果、まず、紫外線レーザーマイクロ照射により誘導されたゲノム損傷領域にはある特定の蛋白質修飾因子が集積することが明らかになった。ついで、siRNA法によるこの修飾因子のノックダウン細胞では、RAD51のゲノム損傷領域への集積が抑制されることが示された。一方、生化学的解析から、RAD51とこの修飾因子の結合は共有結合ではなく、RAD51のある特定のドメインを介した結合であることが明らかになった。そして、RAD51のこのドメインの変異体はゲノム損傷領域に集積することができず、RAD51のこのドメインを介した修飾因子との相互作用が、RAD51のゲノム損傷部位への集積に重要であることが明らかになった。さらに、RAD51のこのドメインは、この蛋白質修飾結合酵素との相互作用にも必要であること、この蛋白質修飾結合酵素のsiRNA法によるノックダウン細胞ではRAD51の紫外線レーザーマイクロ照射部位への集積が抑制されていることが明らかになり、現在、論文投稿準備中である。
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Research Products
(17 results)