2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19310037
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田代 聡 Hiroshima University, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20243610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 継英 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (80397926)
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Keywords | 放射線応答 / ゲノム修復 / クロマチン構造 / 細胞核高次構造 |
Research Abstract |
本研究では、我々が開発した紫外線レーザーマイクロ照射法を用いることにより、ゲノム損傷に応答して形成されるさまざまな放射線誘発核内フォーカスの構造と動態、およびゲノム損傷によるクロマチンの構造変化に焦点を当て、ヒト細胞の放射線応答機構の解明に取り組んだ。その結果、ゲノム修復の相同組換え修復において中心的な役割を果たすRAD51がゲノム損傷領域に核内フォーカスを形成するためには、ヒストンH2AバリアントであるヒストンH2AXのアセチル化およびユビキチン化修飾が重要であることを明らかにした。H2AXはアセチル化およびユビキチン化依存的に損傷クロマチンから放出されるが、もうひとつのヒストンH2AバリアントであるH2AZも、紫外線レーザーマイクロ照射により導入されたゲノム損傷部位で損傷クロマチンから放出されることが明らかになった。H2AXの放出に係わるユビキチン化酵素UBC13をsiRNA法により発現抑制した細胞ではH2AZの損傷クロマチンからの放出が低下することから、H2AZの動態制御にUBC13が関与することが示唆された。一方、H2AXの放出に係わるヒストンアセチル化酵素TIP60の発現抑制では、H2AZの損傷クロマチンからの放出は影響されなかったことから、H2AXとH2AZは異なる分子機構により損傷クロマチンでの動態が制御されていることが示唆され、現在論文投稿準備中である。 放射線誘発核内フォーカスのひとつRAD51フォーカスの形成機構を解明するために行ったRAD51タンパク質複合体の解析では、複数の構造構築に重要であることが報告されているタンパク質がRAD51と相互作用することが明らかになった。現在、これらのタンパク質とRAD51との相互作用、およびRAD51核内フォーカス形成における役割を検証中である。
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Research Products
(16 results)