2008 Fiscal Year Annual Research Report
海綿由来の抗菌活性物質の探索および感染症治療薬リード化合物の創製
Project/Area Number |
19310042
|
Research Institution | Daiichi University, College of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
原口 浩一 Daiichi University, College of Pharmaceutical Sciences, 薬学部, 教授 (00258500)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 善久 徳島文理大学, 香川薬学部, 准教授 (90161132)
松原 大 第一薬科大学, 薬学部, 准教授 (60368975)
|
Keywords | 抗菌活性 / 海綿動物 / リード化合物 / ハロゲン化合物 / LC / MS / MS / 母乳 |
Research Abstract |
1、抗菌活性を有する臭素系ハロゲン化合物のうち、hydroxy-およびmethoxy-tetraBDE, dihydroxy-およびdimethoxy-tetrabromobiphenyl(dimethoxy-tetraBB)についてAPCIイオン化LC/MS/MSによる定量法を確立した。本方法を用いて、パラオ産の海綿動物(Dysidae spなど)より、2'-OH-BDE68, 6-OH-BDE47および2,2'-diOH-BB80を検出した。沖縄(石垣島)のイタチザメ肝臓中には、これらのOH体が最大で0.8 ng/g、オオメジロザメの肝臓中には6.2〜8.4 ng/g含まれていた。一方、methoxy体はイタチザメ、カズハゴンドウおよびシャチの脂肪組織にはPBDEより高濃度200-450 ng/gで残留していた。 2、海綿で産生するハロゲン化合物を代謝し、抗菌活性を有する細菌を探索する目的で、パラオ産海綿(12種類)に生存する細菌のスクリーニングを行った。Marine agar培地で培養したコロニーからDNA抽出、PCR法により目的とする配列を増幅し、精製したDNAのダイレクトシーケンシングから16S rRNA解析による細菌を分類し、bromoperoxidaseをコードする配列の存在を検討した。コロニーからganmma proteobacteriumなどが認められた。本研究手法はOH-PBDEなど臭素系ハロゲン化合物の産生菌の探索の手がかりとなり、海綿種を増やして探索中である。 3、日本人母乳中の臭素系ハロゲン化合物の定性、定量分析を行った。京都大学生体試料バンクより得られた日本人母乳60試料すべてから、残留PBDEsと同レベルのmethoxy-BDEが2種、dimethoxy-tetraBBが1種、halogenated bipyrrolesが2種検出された。それらの濃度はPBDE異性体と同レベルで残留し、それらは海産物の食事に由来すると考えられる。
|
Research Products
(6 results)