2009 Fiscal Year Annual Research Report
木質系バイオマスを原料とするクリーンディーゼル燃料製造システムの開発
Project/Area Number |
19310044
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大塚 康夫 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (20091663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 毅光 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (30169825)
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Keywords | 環境技術 / 環境負荷低減技術 |
Research Abstract |
バイオマスのガス化と高温ガス精製:バイオマスのガス化では、多量のタールが発生するので、その効率的除去が不可欠である。そこで、ガス化で生成する燃料ガス(20% H_2/26% CO/20% CO_2/5% CH_4/15% H_2O/He)中で、タールのモデル化合物であるベンゼン(2600ppm)の分解を行った結果、α-FeOOH量を多く含む褐鉄鉱は700℃でほぼ100%の除去率を達成した。実際的観点から、褐鉄鉱の機械的強度を向上させるため、市販のハニカム上にコートしたところ、同様の高い効果を示した。これは、α-FeOOHより生成しなナノオーダーの金属鉄粒子の触媒作用に基づくものと結論される。一方、α-FeOOH試薬を単独で使用した場合には、著しい粒子凝集が起こり、活性は急激に低下し、ハニカム担体の有効性が実証された。機構解明を目的として、CO、CO_2、CH_4を含まない参照ガス(45% H_2/15% H_2O/He)中でトルエン(450ppm)の分解を行ったところ、C_6H_5CH_3→C_6H_6→CH_4→COの経路で反応が進行することが明らかとなった。これまでの結果を総合すると、容易に入手できる天然の褐鉄鉱は、バイオマスのガス化で得られる燃料ガスの高温精製に非常に優れた性能を発揮することが立証された。 担持触媒によるFT合成:TEOS、AlCl_3・6H_2O、EO_<20>PO_<20>EO_<20>を用い、細孔径は同程度(5.3-5.5nm)でAl/Si比が0-0.083と異なる4種のAl-SBA-15を合成し、10%Coを担持した触媒下で高圧気相FT反応を行ったところ、CO転化率はAl/Si比0.01で最大の60%に達しAl無添加時の2倍以上となった。一方、C_<10>~C_<20>収率はAl/Siに依らなかったものの、ワックス分はAl導入により減少した。Al-NMRやNH_3-TPD測定は、Alの大部分はSiO_2骨格内に存在して固体酸性を示し、その結果、ワックス留分が軽度に分解されることが明らかとなり、Co/Al-SBA-15触媒はディーゼル燃料の空時収量の向上を実現した。
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Research Products
(7 results)