Research Abstract |
カラム実験:土壌にヒ素を添加した模擬汚染土壌に,天然鉱物系の吸着剤を投入し,そのヒ素流出抑制効果を調べた。特に,吸着剤の投入量を変え,その影響に検討を加えた。吸脱着試験および表面錯体モデル:回分吸着実験で,数千時間にわたってヒ素濃度,pH,硫酸イオンの濃度の変化を追跡し,シュベルトマナイトの吸着機構について検討を加えた。以下の点が明らかになった。(1)シュベルトマナイトの吸着は千数百時間経過後も平衡には逹しないこと,(2)モデルでは、この現象はLangmuir吸着式の定数の時間的変化である程度表現できること,(3)脱着の濃度-吸着量関係は時間によってはほとんど変化しないこと。(4)吸着の1458時間後の濃度-吸着量関係にくらべ脱着のそれは,低濃度側にあり,ヒステリシスと考えられること。(4)溶液のpH,硫酸イオンの放出状況から,回分実験開始後,162時間の前後でヒ素濃度減少のメカニズムが違っていること,などが明らかとなった。表面錯体モデルの構築には,鉄イオンの濃度変化の追跡が必要であるが,設定した条件では,鉄イオンの流出が予想より小さく,精度よく測定ができなかった。この点については来年度に条件を変えて実験を行う必要がある。長期安定性:ほぼ検討を終了し,シュベルトマナイトが数千年以上にわたってヒ素を安定に不溶化することが予測された。汚染物質・吸着資材分布を考慮したサブモデル:1次元で,分布を考慮しないモデルがほぼ完成,吸着速度等の影響を検討した。フィンガリング流れの影響検討サブモデル:フィンガリング流れシミュレーターはほぼ完成,吸着サブモデルとのインターフェースについて,種々の検討を行った。全体モデル:フィンガリング流と吸着モデルとのインターフェースについて検討した。
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