2009 Fiscal Year Annual Research Report
土壌の重金属汚染の不溶化技術の確実化手法の開発-不均質性への挑戦
Project/Area Number |
19310047
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
川西 琢也 金沢大学, 自然システム学系, 准教授 (80234087)
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Keywords | 環境技術 / 環境材料 / 土壌圏現象 / 土壌汚染対策 / 重金属汚染 / 吸着 / 不溶化 |
Research Abstract |
本研究は、土壌重金属汚染対策としての不溶化技術の「確実な」設計を支援するモデルの開発を目的とする。具体的には、1)不均質性(汚染物質・不溶化資材分布)を与えた土壌からの汚染物質流出挙動解析、2)ヒ素吸脱着平衡・速度試験結果を解析、3)表面錯体モデル+熱力学解析、4)土壌汚染物質・吸着資材分布の影響の検討モデルの開発、5)3次元フィンガリング流の影響の検討モデルの開発、を行う。結果、1)に対しては、直径数センチのカラムに、なるべく均質に汚染物質、吸着剤を投入した土壌からの物質の流出挙動そのものがかなり不均質なものであることが明らかになり、当初考えていたよりもミクロな不均質性を考慮する必要があることが分かり、また,実験よりその程度をおおよそ見積ることができた。2),3)については、実験により、共存物質、pHの影響などを検討し、不溶化資材(吸着剤)シュベルトマナイトの化学的性質を表面錯体モデルにより整理した。4)、5)については、土壌水中の拡散現象が重要な役割を果たすが、汚染土壌不溶化の空間スケールでは、拡散の時定数が、100日~数年のオーダーとなり、我々が観測するのは、拡散初期のべき乗則のステージであることを明らかにし、さらに、べき乗の指数は、通常は0.5であるが、水分分布の変化により0.5~1.0の様々な値が得られることを明らかにした。ただし、拡散と吸着のカップリングについては、十分な解析ができず課題が残った。また、応用面で、不均質性土壌に対して、汚染土壌に不溶化資材を混入するだけでなく、その下に非汚染土壌に不溶化資材を混入したバリア層を設けることにより、非常に良好な不溶化結果を得た。不均質性の完全な解明にはまだ課題が残るが、確実な不溶化手法の開発という点では、成果が上がったと考える。
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Research Products
(1 results)