2008 Fiscal Year Annual Research Report
高温燃焼型都市ごみ焼却炉用クロムフリー耐火レンガの開発
Project/Area Number |
19310052
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
難波 徳郎 Okayama University, 大学院・環境学研究科, 教授 (80218073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紅野 安彦 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (90283035)
崎田 真一 岡山大学, 環境管理センター, 助教 (50379814)
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Keywords | 耐火物 / 耐スラグ侵食性 / 塩基性度 / X線光電子分光 / 侵食試験 / 非酸化物 |
Research Abstract |
耐火物は粒子径の異なる種々の焼結粒子と空隙とのコンポジット材料であり,粒子の特性と気孔構造によって性能が大きく左右される。本研究では,焼結粒子自体の溶融スラグに対する耐侵食性を高め,これと同時に空隙の低減とミクロ化・密閉化によって溶融スラグの炉壁深部への浸透防止を図るとともに,熱応力の分散を同時に向上させ,耐食性に優れた新規クロムフリー耐火材料を開発する。 平成19年度は,耐スラグ侵食性の高い材料の設計指針を得るために,物質の塩基性度が耐スラグ侵食性の指標として有効かどうか検討した。塩基性度については,物質の構成元素の電気陰性度から直接算出可能な光学的塩基度と,X線光電子分光測定より求めることができる01s束縛エネルギーを用いた。その結果,耐スラグ侵食性と塩基度の間には,概ね良好な相関関係が見られたが,MgOを含む試料に相関関係からの逸脱が見られた。MgOを含む試料では,ペレットの深部にまでスラグが侵入していたことから,スラグとの濡れ性を支配する因子の探索が必要と考える。 そこで平成20年度においては,種々の単純酸化物をプラズマ焼結法により作製し,スラグによる侵食過程の解析を行うために,実体顕微鏡観察を行った。粒度依存性については確認できなかったが,スラグの01s束縛エネルギーに近い酸化物ほど浸潤深さが小さくなることが明らかとなった。また,種々の非酸化物(SiC, Si3N4,AlN)を分散させたMgoA-203耐火物について,スラグ侵食試験を行ったところ,還元雰囲気下ではSiCを添加した耐火物のスラグ侵食性が高いことが明らかとなった。非酸化物微粒子の滲出による保護膜形成の有無については確認できなかったが,平成21年度の課題としたい。
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