2007 Fiscal Year Annual Research Report
還元反応を利用した有機系廃棄物の高効率ガス転換に関する研究
Project/Area Number |
19310054
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清水 正賢 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (30325500)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 浩樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80294891)
前田 敬之 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (50150496)
大野 光一郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (50432860)
|
Keywords | 有機系廃棄物 / ポリエチレン / ゴミ固形化燃料 / 酸化鉄 |
Research Abstract |
近年、地球環境問題に対する関心の高まりから、各国で様々な取り組みが進んでいる。2006年における家庭ゴミの内訳として、湿重量比で約46%がプラスチックや紙等の有機系廃棄物であり、その約78%が単純に焼却処分されているのが現状である。現在、製鉄には主として石炭が利用されているが、この石炭を廃プラスチックや有系廃棄物に置き換えることにより、上記で述べた単純に焼却処分されている有機系廃棄物の有効利用ができ、CO_2の排出量を抑えることができる。また、鉄とH_2、COの同時製造が期待されており、有機系廃棄物を還元材として用いた際の、鉄鉱石の還元挙動の詳細を把握することが重要である。そこで本研究では、ポリエチレン(P.E.)とゴミ固形化燃料(RDF)を用いて、ウスタイト(FeO)を還元した際のガス発生挙動および還元挙動を調査した。実験は所定の重量比に混合した試料を、1000℃、1200℃に保持した縦型電気炉に挿入し、排出ガスの経時変化を四重極質量分析計で測定した。また、同時に湿度計を用いて水蒸気の経時変化を、熱天秤を用いて重量変化をそれぞれ測定した。さらに、実験後の試料を化学分析することで還元率を算出した。 その結果、実験温度によらず発生する主なガスは共にH_2、COであることが分かった。また、P.E.を用いた時は約120sでガスの発生がほぼ終了しているのに対し、RDFを用いた時はCO、CO_2、H_2Oの発生が約240sまで持続することも分かった。P.E.を配合した試料の最終還元率が33%であったのに対し、RDFを配合した試料の最終還元率は78%となり、RDFを用いた方が高還元率を得ることができた。さらに、試料中の炭素と酸素のモル比を増加させると、共にガス発生量は増加したが、P.E.を配合した試料の最終還元率が49%であったのに対し、RDFを配合した試料の最終還元率はほぼ100%に達していた。したがって、RDF混合試料の方がC/Oの増加に伴う還元率の増加が著しいと言える。RDF混合試料で高還元率が得られたが、RDFには固定炭素が存在するため、RDFの熱分解時に発生する試料内部の残留炭素によるソリューションロス反応が起こり、COが長時間発生し続けることで、還元雰囲気が持続したためであると考えられる。
|
Research Products
(2 results)