2009 Fiscal Year Annual Research Report
硫黄サイクル微生物を活用した着色排水処理システムの構築と微生物生態解析
Project/Area Number |
19310058
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
山口 隆司 Nagaoka University of Technology, 工学部, 准教授 (10280447)
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Keywords | 環境技術 / バイオリアクター / 公害防止・技術 / 微生物 / 省エネルギー |
Research Abstract |
染色工場廃水に含まれる化学合成樹脂のひとつであるPVA含有廃水の効率的な分解を目的とし、本研究はUASB-DHSシステムを利用し、PVA含有模擬精錬工程廃水の処理特性および、本システム内に存在する微生物群集構造を、16SrRNA遺伝子を標的としたクローン解析により調査した。これより以下の結果が得られた。 1)流入基質及びUASB流出水のCODcr値から、UASBリアクター単独では、易分解性有機物が除去され、CODcr除去率が平均43%となった(でんぷんのCOD:PVAのCOD=1:1)。このことから後段DHSリアクターでは、難分解性のPVAの分解が選択的に行われる環境をつくることができた。 2)HPLCを用いて人工廃水及びUASB流出水、DHS流出水に含まれるPVAの重合度を調べた結果、嫌気環境下においてもPVAの解重合が行われていた。このことにより微生物は、後段DHSリアクターでPVAを基質として摂取しやすくなると推測された。 3)UASB及びDHS内の全真正細菌の16S rRNA遺伝子を対象としたクローン解析の結果、UASBリアクターではデンプンの代謝に関与している細菌が優先していた。またDHSリアクター内からは、PVA分解菌とされるAlcaligenes、Pseudomonas、Azoareus、Xanthomonasが検出された。 4)クローン解析から得られた結果より詳細な菌叢解析をしたところ、UASBリアクター内ではでんぷん分解菌が25%を占めていることを明らかにした。DHSリアクター内ではPVA分解菌が11%を占めていることを明らかにした。
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