2007 Fiscal Year Annual Research Report
還元反応に基づく生体蓄積性有機フッ素化合物の非焼却分解・無害化システム
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19310059
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
堀 久男 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 環境管理技術研究部門, 研究グループ長 (50357951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
忽那 周三 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (60344131)
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Keywords | フッ素 / 有機フッ素化合物 / 亜臨界水 / パーフルオロカルボン酸 / 光触媒 / 分解 / PF0A / PF0S |
Research Abstract |
有機フッ素化合物は界面活性剤やコーティング剤等の様々な用途に用いられてきたが,一部が環境水に残留し,生物中に蓄積していることが報告されている。その典型がパーフルオロアルキルスルホン酸類とパーフルオロカルボン酸類である。このためこれらの排出削減のために工場廃棄物(排水)を分解・無害化することが急務となっている。しかしながらこれらは非常に安定で,完全分解には約1000℃の高温を必要とする。また,焼却では生成するフッ化水素ガスが焼却炉材を激しく劣化させるという問題がある。このため焼却以外の分解方法の開発が望まれている。そこで本年度はパーフルオロアルキルスルホン酸類の例としてパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)に続いてパーフルオロヘキサンスルホン酸を取り上げ,亜臨界水中での分解反応の詳細な検討を行った。その結果,250〜350℃の亜臨界水中で鉄粉を添加することでフッ化物イオンと硫酸イオンまで効果的に還元分解できること,鉄粉の比表面積を増加させることで反応が促進すること,ガス相には二酸化炭素と微量のトリフルオロメタンが生成するが,トリフルオロメタンはCF_2ラジカルから生成していること等を明らか1にした。さらにパーフルオロカルボン酸類については鉄イオンの酸化還元作用によりフッ化物イオンと二酸化炭素まで室温で効果的に光触媒分解できること,パーフルオロカルボン酸類よりも毒性が懸念されるフルオロテロマー不飽和カルボン酸類については過硫酸イオンから発生させた硫酸イオンラジカルによりフッ化物イオンと二酸化炭素まで迅速に光分解できることを明らかにした。
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