2007 Fiscal Year Annual Research Report
形状制御された有機-無機ハイブリッドナノ結晶のサイズ効果
Project/Area Number |
19310063
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
名嘉 節 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (30344089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 茂行 (独)物質・材料研究機構, 超伝導材料研究センター, 主任研究員 (40354302)
大沼 繁弘 (財)電気磁気材料研究所, 主任研究員 (50142633)
南 公隆 東北大学, 多元物質科学研究所, 産学官連携研究員 (80415794)
佐藤 康一 東北大学, 多元物質科学研究所, 産学官連携研究員 (90399387)
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Keywords | サイズ効果 / 酸化物 / ナノ結晶 / 表面修飾 / ハイブリッド材料 |
Research Abstract |
超臨界水熱合成法を用いて合成された酸化物ナノ結晶は、結晶性が高く有機分子によるin-situ表面修飾により表出する結晶面や粒形をコントロールすることができる。このように結晶形状制御された試料を用い、これまで良く調べられていないナノ結晶の構造およびその電子状態のサイズ効果を明らかにすることを目的とする。19年度は、(1)有機-無機ハイブリッドナノ結晶のサイズおよび粒形制御法の精緻化および(2)化合物ナノ結晶の構造評価をおこなった。 超臨界中の酸化物結晶合成反応を用いたナノ結晶の構造制御は、Zhangらによるin-situ表面修飾法(2007)や阿尻等による水の超臨界近傍の温度・圧力調整(1992)により達成されている。これらの方法を用いて、表面修飾をした結晶および表面修飾しない結晶を粒径2-15ナノメートルで作製することに成功した。それぞれの試料の表面修飾率、格子定数、X線吸収分光、磁化率などを測定して、セリア結晶の構造および電子状態におけるサイズおよび表面修飾の効果をほぼ明らかにした。 特筆すべき点は、(a)予測とは異なり、セリウムイオンの価数は表面修飾の有無で振る舞いが大きく異なり、表面修飾のある結晶は粒径は7ナノメートルから格子の膨張、価数の現象が顕著になる。一方、表面修飾の無い結晶は2ナノメートルまでそれらが観測されなかった。これは、言わば、「表面修飾により誘起された価数転移」と呼べる現象であり、セリア結晶では初めて観測された。次年度は、その転移機構に関しても解明を目指して、同現象の結晶形態依存性や表面修飾分子結合状態に着目して、セリアおよび単金属酸化物において研究を進める予定である。
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Research Products
(5 results)