2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波-ポリオール法による金・銀コアシェルナノ微結晶の創製と形態制御
Project/Area Number |
19310064
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
辻 正治 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 教授 (30038608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吾郷 浩樹 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (10356355)
辻 剛志 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (50284568)
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Keywords | ナノ材料 / マイクロ波加熱 / 結晶成長 / 複合金属材料 / コア・シェル構造 / ポリオール法 / エッチング / 塩化物イオン |
Research Abstract |
本年度はAu,AgおよびAu@Agコアシェル微結晶の合成と微粒子生成におけるハロゲンイオン並びにマイクロ波加熱の役割などについて検討した。 このうち多角形Au@Agナノ微結晶の合成は二段階で行った。まず一段回目の反応でコアとなる多角形Auナノ粒子をHAuC14と凝集防止剤のポリビニルピロニドン(PVP)のエチレングリコール溶液を3分間マイクロ波加熱して合成した。二段階目の反応でシェル原料のAgNO_3を添加し、再び3分間マイクロ波加熱した。また、Cl^-の効果を明確化するためにコアのAu溶液から一度Cl^-を除去後、所定量のNaClとAgNO_3,PVPを混合した後にMW加熱を行った。一方、マイクロ波照射効果を調べるために二段階目の加熱にオイルバスを用いたAu@Ag合成も試みた。 1段目で合成したAuコア溶液をそのまま用いてAgシェルを合成すると高結晶性のAu@Agナノ微粒子が合成できた。一方1段目のAuコア溶液中のCl^-を遠心分離で除去後Au@Agの合成を試みた場合は、球形Ag粒子のみが生成し、Au@Agは生成しなかった。そこで少量のNaCl(0.3mM)を添加してMW加熱でAgシェルの合成を行うと高結晶性のAu@Agが合成できた。またAu@Agをオイルバス加熱で、1段目で合成したAuコア溶液をそのまま用いて合成した場合やAuコア溶液中のCrを遠心分離で除去後NaC1(0.3mM)を添加して合成した場合には、いずれもAu@Agの収率は低く、不定形の結晶または高結晶性のAgナノ微結晶が多く生成した。以上の結果から、高結晶性のAu@Ag微結晶を高収率で合成するためには少量のCl^-存在とCl^-の球形Ag微粒子の酸化的エッチングを促進するMW加熱が不可欠なことがわかった。
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Research Products
(23 results)