2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波-ポリオール法による金・銀コアシェルナノ微結晶の創製と形態制御
Project/Area Number |
19310064
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
辻 正治 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 教授 (30038608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 剛志 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (50284568)
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Keywords | ナノ材料 / マイクロ波加熱 / 結晶成長 / 複合金属材料 / コア・シェル構造 / ポリオール法 / エッチング / 塩化物イオン |
Research Abstract |
本研究ではコアシェル型バイメタリックナノ微粒子に注目し、多角形金コア銀シェルナノ微結晶(Au@Ag)の合成を試みている。本年度は還元性溶媒を変えることにより銀シェルの結晶構造を変化させることを試みた。 多角形金コア銀シェルナノ微結晶の合成は二段階で行った。まず還元性溶媒エチレングリコール中に四塩化金酸と保護安定剤であるポリビニルピロリドン(PVP、平均分子量:40k)を所定量加え攪拌し、マイクロ波照射加熱(出力:400W,時間:3min)によりコアとなる金ナノ微粒子を合成した。次に還元性溶媒としてN, N-ジメチルホルムアミド(DMF)中に分散させ、硝酸銀とPVP(平均分子量:1,300k)を所定量加え麗搾混合させ、オイルバス加熱(温度:140℃,時間:3hr)することにより、金コア銀シェルナノ微結晶を合成した。 一段階目の合成では多角形金コア銀シェルナノ微結晶のコアとなる金ナノ微粒子が得られ、TEM観測により、主に三角形プレート、八面体、十面体等の多角形金ナノ微粒子の混合物であることを確認した。この金ナノ微粒子をコアとして用いて二段階目の合成を行うとプレート構造の金コアからはプレート構造の銀シェル、八面体構造の金コアからは八面体構造の銀シェル、十面体構造の金コアからは十面体の銀シェルが形態選択的に生成することがわかった。生成した多角形金コア銀シェルナノ微結晶は金コア、銀シェルともに結晶面が{111}面を有する形態をしていると考えられる。コアとなる金ナノ微粒子の形態に依存し、銀シェルが金コアの結晶表面上でエピタキシャルに成長し、それぞれ形態選択的にコアシェル構造を形成したと考えられる。今回の研究で還元性溶媒をエチレングリコールからDMFに変えることで銀シェルの結晶構造を{100}面から{111}面へ変化させることに成功した。
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Research Products
(39 results)