2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波-ポリオール法による金・銀コアシェルナノ微結晶の創製と形態制御
Project/Area Number |
19310064
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
辻 正治 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 教授 (30038608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 剛志 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (50284568)
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Keywords | ナノ材料 / マイクロ波加熱 / 結晶成長 / 複合金属材料 / コア・シェル構造 / ポリオール法 / エッチング / 塩化物イオン |
Research Abstract |
本研究ではコアシェル型バイメタリックナノ微粒子に注目し、多角形金コア銀シェルナノ微結晶(Au@Ag)の合成を試みている。昨年度まで液相合成によるAu/Agコアシェル微粒子ついて研究した結果、還元性溶媒N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中において、{111}面を有する多角形Auコア表面上に{111}面を有するAgシェルをエピタキシャル成長させることに成功した。ただし得られたコアシェル微粒子の収率は低くシェル形成も不均一だった。本年度はマイクロ波加熱とオイルバス加熱を組み合わせることによって、八面体・十面体・二十面体Auナノ粒子をコアとした多角形Au/Agコアシェルナノ微粒子の高収率合成を試みた。 Au@Agコアシェルナノ微粒子の合成は多角形Auコアナノ微粒子の合成とAgシェルの形成という二段階合成法を用いて行った。まず、マイクロ波-ポリオール法により八面体及び二十面体を、DEG還元法を用いて十面体のAuコア粒子を合成した。次に、オイルバス中で加熱したDMF中にこれらを分散させ、AgNO_3と保護剤であるポリビニルピロリドン(PVP)を溶解した混合溶液を滴下した。その後、加熱攪拌を行い合成した。 一段階目の合成で得られた多角形Auコアナノ微粒子の平均粒径・割合は、八面体(71±17nm、68%)、十面体(54±20nm、56%)、二十面体(67±18nm、61%)であった。これらの粒子を用いて二段階目の合成を行い、ほぼ全ての粒子においてAuコアとAgシェルが構成されていることを確認した。また、八面体粒子においては二段階目の実験で加えるAgNO_3の濃度を変化させることによってAgシェルの厚さを12から33nmで制御できた。本年度の研究において当初の目的であった多角形構造を有するAu@Ag粒子の高収率合成に成功し、光学特性を明らかにした。
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Research Products
(45 results)