2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19310074
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田村 厚夫 Kobe University, 理学研究科, 准教授 (90273797)
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Keywords | ナノチューブ / ナノファイバー / ペプチド / 分子間相互作用 |
Research Abstract |
ペプチドを環状化したものを、アミロイド線維のようにβシート様水素結合で積層化することで、中空のナノチューブを形成させた。この際、内側に一部のアミノ酸残基を配することで、特定の金属イオンのみ特異的に結合するペプチドナノチューブとすることに成功している。この構造について、固体状態でのATR法によるIR測定を行い、予想通り逆βシート型の水素結合を形成していることが確認できた。また、温度による安定性を調べたところ、90℃でもナノチューブ構造を保持しており、安定な材料として利用可能であることが明らかになった。 次に、この水溶性ペプチドナノチューブを生体膜に埋めるために、外側に疎水性アミノ酸を導入したものを新たに設計した。この際、膜との相互作用が強いと想定される芳香族アミノ酸および正電荷を持ったアミノ酸を特定の位置に導入した。また、上と同様に内部に金属イオンが配位できるアミノ酸を配置した。この結果、溶媒条件を選ぶとナノチューブ構造を形成することを、原子間力顕微鏡などの手法で明らかにした。このチューブの多くは、直径3nm程度であることが観測され、チューブ間ではバンドルにならず、単一のチューブが形成していることが示唆された。 さらに、三叉路にペプチドを分岐させ、分子集合させることで、球状のペプチドケージ(ペプチドキューブ、正多面体型ペプチドなどとも呼ぶべき)を設計し、その形成を各種分光法や原子間力顕微鏡などの観測により確認した。
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