2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19310078
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
宮崎 あかね Japan Women's University, 理学部, 准教授 (80293067)
|
Keywords | ナノ粒子 / 面制御 / 白金 / 硝酸イオン / 浄化 |
Research Abstract |
昨年度までの研究結果を受け、本年度は、膜型反応装置での実験、およびPt-Cuのバイメタル化状態の評価についての実験を中心に行った。膜型反応装置を用いた実験では、多孔質のアルミナ中空膜に形態制御されたPtを担持して、水素およびNaNO_2水溶液を流通させて還元反応を行った。形態制御していないPt粒子を担持した場合の結果と比較したところ、形態制御することにより、NO_2^-の還元におけるN_2の選択性が向上することを確認できた。一方、Pt-Cuバイメタル化状態の評価については、バイメタル化する方法として、含浸法および表面還元法を用いた。表面還元法とは、Pt粒子表面に水素を吸着させ、そこにCuイオンを反応させることにより、Pt粒子表面で選択的にCuを還元させる方法である。これら二つの方法で得られた触媒は、NO_3^-還元反応において異なる挙動を示すことが明らかになった。そこで、バイメタル化状態を評価するために、TPR, TPO測定を行った。Pt-CuのTPR, TPO測定については、いくつかの報告例があるが、今回詳細な検討を行った結果、それらを大幅に見直す必要が明らかになった。我々の実験では、室温から800℃の範囲でのTPR, TPOで観察することができるのは、Cuの酸化還元状態の変化であること、Cuは完全に0価に還元されることはなく、CuO及びCu_2Oの間で変化を繰り返すこと、ただし、その変化の仕方はバイメタルの調製法や粒子サイズなどに依存すること、が明らかになった。さらに、Cuの酸化状態が異なるPt-Cu触媒を用いてNO_3^-の還元反応を行ったところ、Cuの酸化状態が反応生成物の選択性に重大な影響を及ぼしていることが明らかになった。
|