2007 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ電極による単分子電子素子の研究
Project/Area Number |
19310079
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 琢治 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (80169185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 啓文 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 助教 (90373191)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 単分子電子素子 / 原子間力顕微鏡 / ナノギャップ電極 |
Research Abstract |
本研究計画は、カーボンナノチューブを電極として用い、単一ないしは少数の機能性分子の電気特性を系統的に計測し、分子構造ならびに分子とカーボンナノチューブの接合と電気特性の関係を明らかにすることを目的としている。 平成19年度は、この研究の主要な道具となる超高真空二探針電導性原子間力顕微鏡の開発を行い、ほぼ完成に至った。最も困難と予測された二探針用のカンチレバーの作製は、Ir/Pt合金の針を電解研磨で先端を削り、これをFIBで切断してピエゾレジスティブのカンチレバーの先端にFIBで結合させ、更に先端部の金属の蒸着を行うことで作製した。また、二探針間での電流-電圧計測のための回路も完成させ、ノイズレベルを数pAにまで下げることに成功した。平成20年度は、これを用いた計測を行う予定でいる。 超高真空二探針電導性原子間力顕微鏡の完成を待つ間は、一探針のPCI原子間力顕微鏡で計測を行う予定であったが、カーボンナノチューブに長鎖のポルフィリンワイヤーを結合してもポルフィリンワイヤーが曲がりくねっており計測が困難であることが判った。これまでも、分子ワイヤーと称するものの多くは電導性基板上で作製されており、絶縁性基板上で直線的な構造を保った例は無かった。サブマイクロメータ長π共役ポルフィリンワイヤーがHOPG表面で直線的な自己組織化体を表面上一様に形成する条件を見いだすことに成功し、またこの組織体を絶縁性のエポキシ樹脂やアルミナ上に転写することに成功した。
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Research Products
(19 results)