2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19310085
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Research Institution | NTT Basic Research Laboratories |
Principal Investigator |
永瀬 雅夫 NTT Basic Research Laboratories, 量子電子物性研究部, 主任研究員 (20393762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比野 浩樹 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 機能物質科学研究部, 主幹研究員 (60393740)
関根 佳明 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 社員 (70393783)
影島 博之 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 主任研究員 (70374072)
山口 浩司 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 部長 (60374071)
岡本 創 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 社員 (20350465)
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Keywords | ナノ材料 / マイクロ・ナノデバイス / 計測工学 / グラフェン / 低エネルギー電子顕微鏡 / ナノギャップ電極 |
Research Abstract |
ポストシリコンの高性能エレクトニクス材料とし期待される数層グラフェン薄膜の電子物性解明を目的に研究を進めている。昨年度までに、低エネルギー電子顕微鏡(LEEM)を用いて、SiC上にエピクキシャル成長した数層グラフェンの層数を同定する技術を確立した。今年度は、LEEMによるSiC上熱成長グラフェンのミクロスコピックな層数、及び、形態制御技術を確立すると共に、成長制御グラフェンの局所電子物性を、独自開発した集積化ナノプローブにより評価して新たな知見を得ることを目標に検討を進めた。 昨年度、着手したナノグラフェン(実効幅30nm程度)の電子物性について集積化ナノギャップ電極プローブでの計測結果の解析を進め、伝導度が幅に比例する現象は閉じこめ効果によることを明確にした。ナノ構造に対してリソグラフィを適用することなくその電子物性評価が可能であることを示した意義は大きい。今年度は、LEEMによる成長制御技術を用いて作製した高均一グラフェンについての検討を開始し、SiC基板上のステップ構造を越えてテラス幅よりも大きなドメインの単結晶2層グラフェンの成長に成功した。さらに、この均一グラフェンの局所電子物性を集積化ナノギャップ電極プローブを用いて評価し、ステップ構造部での導電率変調現象を発見した。SiC上グラフェンのデバイス応用を実現するためには、基板構造のグラフェン電子物性への影響を理解し制御する必要があり、本成果はその第一歩と位置づけられる。また、今年度はグラフェンの機械的な物性評価の準備としてナノ構造の機械特性計測法の探索も開始した。グラフェンの優れた電子物性と、優れた機械物性の相関を明確にすることができれば、新たな応用分野が拓ける。 これらの成果の発表・論文化を進める一方、多くの招待講演・取材・執筆依頼を受けた。これらはグラフェン研究の注目度の高さを示していると考えている。
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Research Products
(20 results)