2007 Fiscal Year Annual Research Report
超小型翼列風洞の開発とMEMSターボ機械要素の空気力学性能設計法への応用
Project/Area Number |
19310090
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
鳥山 寿之 Ritsumeikan University, 理工学部, 教授 (30227681)
|
Keywords | マイクロ・ナノデバイス / マイクロマシン / 流体工学 / 熱工学 / 航空宇宙工学 |
Research Abstract |
超小型ガスタービンエンジン翼列を通過する高速気体の力学的挙動の解明と超小型翼列の空気力学設計法の確立に向けて、本年度は超小型翼列風洞チップの気体力学・構造力学設計を実施した.超小型翼列風洞チップの設計では、実際の航空エンジン用タービン翼列の1/20スケールモデルの翼列について、タービン翼列スロート部でチョークし、翼列出口基準の等エントロピーマッハ数が亜音速から遷音速領域まで変化可能な能力を有するラバル形状(収縮・拡大流路)型の空気力学流路を設計した.気体力学に基づく予備設計として、1次元の非粘性圧縮性気体の基礎方程式や既存の数値流体解析ソフトにより、風洞入口の全圧と全温、風洞出口静圧、タービンスロート部の面積、風洞出口面積など風洞設計に必要な基本パラメータの値を決定した.ラバル形状の風洞は、風洞入口と出口の圧力とスロート出口と風洞出口の面積比に依存して、スロート部後流で亜音速と超音速の流れの分岐が生じる.本設計では遷音速流れを実現するために超音速の流れの分岐に適合する熱力学状態量を設定した.ただし、マイクロ領域特有の高速気体である遷音速・低レイノルズ数領域の気体の挙動は現時点で十分解明されていないため、1次元非粘性圧縮性気体や既存の数値流体解析の適用が有効であることも保障されない.予備設計に基づく超小型翼列風洞チップの試作と評価は最終年度まで、満足する解が得られるまで継続的に繰り返すことにした.風洞形状の決定後は、翼列入口と出口の全圧と静圧との計測位置、翼圧力面・負圧面上の静圧の計測位置を決定した,これにより、翼列における全圧損失係数、翼面上マッハ数分布(静圧分布)、翼負荷係数等の翼列基本性能パラメータを実験的に決定する準備が整った.
|
Research Products
(1 results)