2009 Fiscal Year Annual Research Report
超小型翼列風洞の開発とMEMSターボ機械要素の空気力学性能設計法への応用
Project/Area Number |
19310090
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
鳥山 寿之 Ritsumeikan University, 理工学部, 教授 (30227681)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / マイクロマシン / 高速気体力学 / ターボ機械 |
Research Abstract |
超小型のMEMSターボ機械の翼列を通過する高速圧縮性流体の力学的挙動の解明とMEMS翼列の空気力学設計手法の確立に向けて、MEMS翼列風洞チップの気体力学・構造力学設計、MEMS加工による試作・実験を実施した,MEM翼には、実際の航空エンジン用反動タービン翼列の1/20スケールモデルを採用し、翼弦長さは2mmである.風洞性能はMEMタービン翼列スロート部でチョークし、平均レイノルズ数が約5000である.また、翼列出口静圧基準の等エントロピーマッハ数が亜音速から遷音速領域まで変化可能な能力を有するラバル形状(収縮・拡大流路)の空気力学流路を有する.構造設計の結果を受けて、深堀ドライエッチングや陽極接合などのシリコンバルクマイクロマシニングプロセスによる風洞の試作を完了した.MEMS翼列風洞チップでは、翼列入口と出口の全圧と静圧、翼圧力面・負圧面上の静圧の計測のために、直径2μmの超微小圧力孔を収束イオンビームにより加工した,これにより、翼列における全圧損失係数、翼面上マッハ数分布(静圧分布)、翼負荷係数等の翼列基本性能パラメータを決定することができる.さらに、マイクロシュリーレン装置により遷音速から超音速領域におけるMEMタービン翼列の流れの可視化を実施した.風洞入口全圧と出口排圧の比率を変化させながら、臨界圧力前後での翼列スロート部の衝撃波や膨張波の発生の様子を観測した.結論として、翼列の全圧損失が大型の航空エンジンに比べて1桁程度上昇する新しい知見が得られた.
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Research Products
(2 results)