2007 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニックワイヤ内部を伝播する光の二探針近接場光学顕微鏡による観察
Project/Area Number |
19310092
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
三井 正 National Institute for Materials Science, 量子ドットセンター, 主任研究員 (90343863)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 微小共振器 / 走査プローブ顕微鏡 / 応用光学 / SNOM / コロイド結晶 / 近接場光学 / フォトニック結晶 |
Research Abstract |
直径が数μm程度のポリスチレン微小球を1次元のワイヤ状に数千個、配列することで光導波路とし、その内部を伝播する光の特性を、近接場光学顕微鏡を用いてナノスケールの空間分解能で観察を行った。 平成19年度は、まず第1に、フォトニックワイヤの作製技術の確立を目指した。本年度の研究実施計画書に示したとおり、(1)雰囲気制御、(2)分散溶液濃度、(3)隙間厚さ、(4)専用セル及びカバーガラスの親水性制御、(5)微小球の粒径、について最適条件の探索、及び改良を行った。 2番目として、導波路一集光モード近接場光学顕微鏡を用いて、フォトニックワイヤ内部を伝播する光の特性を定量的に評価し、研究を行った。具体的には(1)光伝播分布、(2)伝播ロスの定量測定、(3)伝播光のスペクトル、について、評価を行った。その結果、伝播ロスについての考察から、[1]直線部分ではnanojet-induced modes(NIMs)による伝播が優勢である、伝播光のスペクトルについての検討から、[2]屈曲部ではWhispering-gallery modes(WGMs)による伝播が重要な寄与をしていることがわかった。 後者[2]の結果は、チップ上での光配線を行う時に、直角曲げ構造を作製する上で重要な知見を与えると考えられる。本研究のように微小球共振器を連結して作製した光導波路構造は、エアートレンチ型やフォトニック結晶を用いた光導波路構造と異なり、光閉じ込め構造を必要としない(True micron-meterwidth)からである。また、それをコロイド溶液中の自己組織化プロセスで作製した場合でも、十分、光導波路として機能することがわかった。詳細については、すでにNano Letters誌にて出版され、報告を行ったので、参照されたい(研究発表、雑誌論文1)。
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