2008 Fiscal Year Annual Research Report
燃焼・熱分解の前駆的段階で発生する「におい」の定量的測定に基づく火災検知
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19310109
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Research Institution | Tokyo University of Science, Suwa |
Principal Investigator |
須川 修身 Tokyo University of Science, Suwa, システム工学部, 教授 (60162856)
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Keywords | プラスチック系廃棄物 / におい / 自然発火 / におい識別装置 / 加熱実験 / TG-DTA / Boddingtonモデル / Frank-Kamenetskiiの熱発火理論 |
Research Abstract |
日常生活から廃棄されるプラスチック系フィルム廃棄物を形態、厚み、色などで約40種類に分類した。低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンの純物質のTG-DTA熱分析結果と40種類のプラスチック系廃棄物の結果を比較し、プラスチック系廃棄物の材質の重量割合を調査した。その結果、低密度ポリエチレン24w%、高密度ポリエチレン0.1w%、ポリプロピレン27w%、ポリスチレン2w%であった。ポロプロピレン、低密度ポリエチレンが、全体の半分以上を占めていることが分かった。 堆積状態のプラスチック系廃棄物を加熱炉内において一定温度で保ち、臨界状態を模擬的に作り出した加熱実験を行った。実験条件は、一辺0.3mの立方体カゴにプラスチック系廃棄物を密度160kg/m^2になるように設定し、「発火しない」112℃、「発火する」116℃の臨界温度近傍とした。熱物性値に基いて、堆積状態の規模に基づく自然発火の有無及び着火時間をFrank-Kamenetskiiの熱発火理論とBoddingtonモデルでそれぞれ算出したところ、加熱実験結果と良く一致した。 加熱実験の際、加熱炉内のガスを一定時間毎に採取した。採取したガスは、窒素ガスで5〜50倍に希釈し、におい識別装置で測定を行った。その結果、においの強さを示す臭気指数相当値は、発火する前から大きくなり、発火しない場合には変化がみられなかった。においの質を示す類似度は、アンモニア/アルデヒド系の類似度が発火直前から急激に大きくなり、発火しない場合には、変化が見られなかった。
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