2007 Fiscal Year Annual Research Report
医療安全の向上を目指した医療機器操作行動解析手法の開発
Project/Area Number |
19310112
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山内 康司 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究員 (60358223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 一彦 東京工科大学, バイオニクス学部, 教授 (00327082)
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Keywords | 医療安全 / 距離画像 / Time of Flight / 動作計測 |
Research Abstract |
本年度は,視線解析装置を用い,操作者の医療機器操作中の視線を解析する技術を開発することを目標とした.本研究では,挿入時に空間認知能力が特に要求されると考えられる大腸内視鏡検査を対象とする. 内視鏡装置には臨床で実際に用いられている大腸内視鏡を用い,観察対象はトレーニング用の模擬大腸を用いた。これら内視鏡装置および模擬大腸による事前検討の結果,使用する視線解析装置として,ナックイメージングテクノロジー社製のアイマークレコーダEMR-8Bを選定した. 上記視線解析装置を用いて,操作者の視線解析の予備実験を実施した. 被験者に視線解析装置を装着させ,虫垂口等への到達をゴールとした内視鏡挿入タスクを行わせ,その間の視線を計測した.視線は動画ファイルとして保存され,視線解析ソフトウェアを用いることにより,視線データから視線の停留点および停留時間などを算出した.また得られた視線データと内視鏡ビデオを時系列的に比較することにより,視線と内視鏡操作との関連が明らかになるかを確認した. 一連の予備実験の結果,本システムにより内視鏡操作中の視線解析が十分な精度で可能であることが明らかとなった.ただし,用いた内視鏡モニタ(CRT)と視線解析装置のカメラの走査周波数が干渉し検出精度に影響することが判明したため,内視鏡モニタを液晶モニタにすることによりこの問題を解決した. これら視線解析に関する試みとは別に,次年度(H20)に予定している運動解析の先導研究として,光学式距離画像センサを用いた動作計測を試みた.距離画像センサは観察対象に何ら装置やマーカを設置せずにその運動を計測できる点で優れているが,我々の精度検証実験によれば,対象物の色彩によっては精度誤差が大きく,本研究の目的を達成するためには何らかの工夫が必要であることが判明した.運動解析については,この距離画像センサを含めて別方式も検討し,次年度に導入する方式を決定することとした.
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