2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子破壊法を用いた高等真核細胞のクロマチン構造構築因子群の構造機能解析
Project/Area Number |
19310127
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中山 建男 宮崎大学, 理事 (60031712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 恭成 宮崎大学, 医学部, 准教授 (80236356)
菊池 秀彦 宮崎大学, 医学部, 助教 (10301384)
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Keywords | ヒストン / クロマチン / ヌクレオソーム / ジーンノックアウト法 |
Research Abstract |
高等真核細胞のクロマチン構造の構築・変換の分子機構を解明するため、CAF-1,ASF1等のDT40変異株を作成・解析して、以下のような成果を得た。1、複製にカップルしたヒストンH3/H4の主要なシャペロンであるCAF-1複合体の欠損はDNA合成の低下、新生鎖上のヌクレオゾーム形成不全(遅延)、S期の遅延、分裂異常を伴い死滅する。本因子のDNA複製機溝への関与をDNA fiber assayで検討したところ、CAF-1欠損によりDNA鎖の伸長速度の低下が認められたがそれほど顕著ではなく、これだけでDNA合成低下を説明できないため、origin firingの頻度低下の可能性を考え、現在詳細に検討中である。また、CAF-1欠損により特異的に変化するヒストンアセチル化部位を2カ所明らかにした。これらのアセチル化ヒストンは核内で共局在してfociを形成した後、広がる。このことはCAF-1を介したヌクレオソーム形成に強く依存した特異的なゲノム領域が存在すること、複製に共役した正確なヌクレオソーム形成がエピジェネティク修飾の維持に極めて重要であることを示している。2、他のヒストンH3/H4のシャペロンであるASF1に関してはDNA損傷応答機構との関連を検討した。ASF1は生存に必須であるため、内在性ASF1遺伝子の両アレルに種々の点変異をノックインで導入することでASF1機能低下変異株の作成を試みた。ヒストン結合能の低下したある種の点変異株はDNA合成能の低下、S期の遅延が起こり生育速度は低下するが、生存可能であった。本変異株を用いてDNA損傷応答、組み換え能等を検討したところ、X線によるG2,S期チェックポイントや相同組換え能の影響はほとんど認められないものの、ある種の損傷剤(エトポシド)に対する感受性は顕著に増加した。現在この原因について検討している。
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Research Products
(5 results)