2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19310129
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井原 茂男 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 特任教授 (30345136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜窪 隆雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90198797)
南 敬 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (00345141)
川村 猛 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (70306835)
大田 佳宏 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (80436592)
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Keywords | リン酸化 / 転写複合体 / シミュレーション / プロテオミクス / 膜タンパク質複合体 |
Research Abstract |
本研究では、細胞内で刺激応答に起因する内在性のリン酸化状態変化を網羅的にプロテオミクスの観点からとらえることにある。インフォーマティクス解析によりリン酸化タンパク質相互の関係をシミュレーションし、リン酸化シグナルパスウェイを予測した。この予測に基づき、RNAiや分子生物学的解析によって妥当性の検討を行なった。このようなシステム生物学的アプローチの試みとしてin silicoとウェットバイオロジーが連携してデータの受け渡しを行い、モデル妥当性を検証しながら双方向性に解析を進めていくことができた。本年度は、成果を論文としてまとめることを推進した。 具体的な成果としては、ヒト臍帯静脈上皮細胞(HUVEC)、および3T3L1細胞の転写調節の動きをDNAアレイチップやRNAiなどの手法を用いて解析し、これら時系列のマイクロアレイデータに対して、申請者らが作成したGOを用いたネットワークのクラスタリング解析ツールによる解析結果をもとに、以下の方式で検討した。 まず、時刻に対してどの遺伝子セットが最適の遺伝子セットかをマイクロアレイの実験結果から選び出した。次に、文献からリン酸化に関する関係性を抽出する方式から検討し、最後に、報告者のデータも含めたプロテオミクスの方法から検討した。刺激応答後のリン酸化ダイナミクスに関係する遺伝子および蛋白質を実験データから選定し、これらの関係性からキーキナーゼとなると考えられるPKCを中心としてリン酸化パスウェイ解析を行なった。 局所性を保ちつつ遠隔相互作用としても寄与し、細胞種、応答の仕方など様々な形で特徴的な振る舞いをするリン酸化パスウェイを網羅的に取得し、さらに多数のパスウェイパスウェイ間のリン酸化パスウェイとの関係性を一挙に取得することで、シグナル伝達による細胞の反応がおこるダイナミクスの一端を明らかにすることができた。
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Research Products
(2 results)