2007 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル伝達系に作成する小分子の開発を機軸とする包括的天然物創薬化学研究
Project/Area Number |
19310136
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石橋 正己 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 教授 (90212927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 緑 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (40373261)
大槻 崇 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (30401011)
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Keywords | 天然物 / 小分子 / 創薬 / スクリーニング / シグナル伝達 / アッセイ / 癌 / 合成ライブラリー |
Research Abstract |
主に癌に関連するシグナル伝達分子であるWntおよびヘッジホッグシグナルを標的として,当研究室独自に構築した未利用天然物ライブラリーを用いて,活性天然物の探索研究を行った。 1.大腸癌等で異常に亢進していることが知られているWntシグナル伝達経路に着目し,その転写因子TCFの転写活性を阻害する天然物のスクリーニングを行った。粗抽出エキスに活性が認められたタイ産Eleutherine palmifolia(アヤメ科)について溶媒分画および各種クロマトグラフィーによる分画を行い,活性成分として3種の新規化合物を含む10種の化合物を単離した。これらの化合物は顕著なTCF転写阻害活性を有しており,その中の一つisoeleutherineはヒト大腸癌細胞DLD1等に対して顕著な細胞毒性を示した。また,SW480において本化合物は,TCFの標的遺伝子であるc-mycタンパク質の発現の減少が認められた。 2.膵臓癌等で異常に亢進していることが知られているヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達系に着目し,本シグナル伝達経路における転写因子であるGLIの転写阻害活性に関するスクリーニングを行った。粗抽出物に活性が認められたナス科Physalis minimaについて活性成分の分離精製を行い,GLI転写阻害化合物として,physalinFおよびphysalinBを単離した。これらは,Hh/GLI関連タンパクであるPTCHやBcl2の発現を抑制した。抗アポトーシスタンパクであるBcl2の発現減少とGLI転写阻害の関連を明らかにしたのは初めてである。また,Hh/GLIが亢進しているヒト膵臓癌細胞PANClおよびヒト前立腺癌細胞DUI45に対して,これらの化合物は細胞毒性を示すことを見出した。
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