2008 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル伝達系に作用する小分子の開発を機軸とする包括的天然物創薬化学研究
Project/Area Number |
19310136
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石橋 正己 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 教授 (90212927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 緑 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (40373261)
大槻 崇 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (30401011)
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Keywords | 天然物 / 小分子 / 創薬 / スクリーニング / シグナル伝達 / アッセイ / 癌 / 合成ライブラリー |
Research Abstract |
当研究室独自に構築した未利用天然物ライブラリーを用いて,主に癌に関連するシグナル伝達分子であるTRAILおよびWntシグナル等を標的とした天然物の探索を行った. 1)デス受容体の一つDR5(=TRAIL-R2)に着目し,Ardisia colorata(ヤブコウジ科)について,DR5誘導作用をもつ活性成分の探索を行った.その結果本植物より新規イソフラボノイドcoloratanin Aを含む11種の化合物を単離した.これらのうち,既知化合物である2-hydroxyfomonometinが17.5および35.0μMにおいてコントロールに比べて2.4倍のDR5プロモーター活性を上昇させることが判明した.またTRA皿耐性AGS細胞に対する耐性克服作用を示す天然物の探索を行い,放線菌Streptomyces sp. IFM1O937の培養濾液より新規チロシン誘導体2種および既知の抗生物質novobiocinを単離した.これらのうちには,TRAIL耐性AGS細胞に対してTRAIL感受性を増強させ,TRAILとの併用による相乗効果を示すものがあった. 2)Wntシグナル阻害活性をもつ天然物としてタイ産Eleutherine palmifolia(アヤメ科)より得られた活性成分の一つisoeleutherineは,ヒト大腸がん細胞株への選択的な細胞毒性を示した.また,本化合物のTCF/β-カテニン転写阻害活性は,核内のβ-カテニン量の減少に基づくことが示唆された.
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