2009 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル伝達系に作用する小分子の開発を機軸とする包括的天然物創薬化学研究
Project/Area Number |
19310136
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石橋 正己 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 教授 (90212927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 緑 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (40373261)
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Keywords | 天然物 / 低分子化合物 / 創薬 / スクリーニング / シグナル伝達 / アッセイ / 癌 / 植物 |
Research Abstract |
当研究室に構築した天然物抽出エキスライブラリーを用いて,主に癌に関連する関連するシグナル伝達分子であるTRAILおよびWntシグナル等を標的とした天然物の探索を行った. 1.デス受容体の一つDR5を増強させる作用を示す天然物のスクリーニングを行った.アッセイにはDR5プロモーター活性をルシフェラーゼ法を用いて評価した.本アッセイにより活性を示したシクンシ科植物Combretum quadrangulareについて詳細な活性成分の探索を行った結果,9種の新規シクロアルタン型トリテルペンを含む17種の化合物を単離した.これらのうち,3種の既知フラボノイドおよび2種の新規トリテルペンがコントロールに比べてDR5プロモーター活性を顕著に上昇させることが判明した. 2.TRAIL耐性AGS細胞に対する耐性克服作用を示す天然物の探索を行い,キョウチクトウ科植物Thevetia peruvianaの樹皮のMeOH抽出物より数種の既知カルデノリド配糖体を単離した.一方マメ科植物Erythrophleum succirubrumからは,4種の新規ジテルペン二量体化合物を単離した.これらは,TRAIL耐性AGS細胞に対してTRAIL感受性を増強させ,TRAILとの併用による相乗効果を示した.また単離しカルデノリド配糖体の一つであるテベフォリンは,リアルタイムPCR法を用いた実験の結果,mRNAレベルでのデスレセプターDR5およびDR4の発現上昇を示すことが明らかとなった.従って,本化合物のTRAIL耐性克服作用にはデスレセプターの発現上昇が関与することが示唆された. 3.また,Wntシグナル阻害活性をもつ天然物としてツリフネソウ科植物Impatiens balsaminaから活性成分の一つとして2-メトキシ-1,4-ナフトキノンを単離した.
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