2008 Fiscal Year Annual Research Report
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19310142
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
西田 律夫 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (30135545)
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| Keywords | 共進化 / 昆虫 / 植物二次代謝成分 / 化学感覚受容 / 寄主認識 / 寄主選択 / 送粉 / 種分化 |
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| Research Abstract |
1)ミバエ類の行動を制御する植物化学因子の開発
野菜害虫ナスミバエBactrocera latifronsが好んで寄主とするナスSolanum melongenaの一品種の果肉成分より,新規の雄特異的誘引物質3-hydroxy-α-iononeを同定した.関連物質である3-oxo-α-ionone,3-oxo-α-ionolなどの合成標品を用いて,ナスミバエ成虫に対する誘引/摂食刺激活性を検定する一方,摂食後の雄成虫が,直腸腺へ取り込む過程を追跡した.その結果,(1)これらの化合物が,雄成虫に対する強い誘引力と摂食刺激活性を示すこと,(2)同物質群を摂食した雄は3-oxo-α-ionolを主要成分として直腸腺に速やかに蓄積する能力があることから,雌に対する性フェロモン前駆体としての機能が示唆された.また,一連の雄特異的誘引物質は野外個体群のモニターに利用できる可能性が示唆された(特許申請).
2)アゲハチョウの食性進化を司る植物二次代謝物質の化学受容機構の電気生理学的解析
アゲハチョウPapilio xuthusの雌成虫は前足にブラシ状の化学感覚毛を持ち,寄主植物ミカンCitrus unshiuの特有成分を的確に識別している.産卵刺激化学因子の複合系受容機構を解明するために,前脚附節感覚子における寄主二次代謝成分の味覚神経受容応答を電気生理実験により解析した.インパルス波形解析により,少なくとも3種の神経細胞の応答を明らかにした.産卵刺激物質のインパルス波形に及ぼす相互的効果から複合受容の統御機構に関する新知見を得ることができた.
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