2008 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸域の水環境に残る大規模公害の痕跡の解明と環境復元モデルの構築
Project/Area Number |
19310154
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
朴 恵淑 Mie University, 人文学部, 教授 (10273343)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 千里 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (40240808)
宮岡 邦任 三重大学, 教育学部, 准教授 (70296234)
長屋 祐一 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (50303756)
|
Keywords | 硫黄酸化物 / 森林土壌 / 化石燃料起源硫黄 / 海水進入 / 地下水位変動 / 蔚山 / 麗水 |
Research Abstract |
四日市地域において,以下の研究実績が得られた。 1) 日本の森林土壌中の硫黄動態については研究例が少なく,四日市周辺のような硫黄酸化物が大量に供給された森林土壌で実態を明らかにしようとした研究報告はほとんどない。今年度は,過去四日市地域から排出された硫黄酸化物が,現在の森林土壌の硫黄動態に与えている影響を明らかにするために,森林土壌中の形態別硫黄含有量,硫黄安定同位体比,硫黄蓄積に関わる土壌因子について調査を行った。その結果,四日市地域では化石燃料起源硫黄の影響が強いことが明らかになった。 2) 水・物質循環プロセスを把握するため,前年度に掘削した観測井における地下水水位・水温連続観測を行った結果,以下のことが明らかになった。流出域にあたるコンビナート周辺の地下水流動形態と水質は地域や深度によって大きく異なることが明らかになった。すなわち,直上流部において近年まで化学工場があった地域では,浅層部地下水に水温の高い傾向が見られ,油分の混入も認められた。また,より海岸部に近い地域では,還元状態にあり,海域からの水圧の影響が陸域地下水の水質や流動形態に強く影響している。 また,韓国における予備的な調査を行い,雨量計や降水採水装置の設置と観測,対象地域における地下水・河川水の測水・採水調査を行った。
|
Research Products
(2 results)