2008 Fiscal Year Annual Research Report
移民外国人問題とナショナル・ポピュリズム運動に関する比較地域研究
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19310157
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河原 祐馬 Okayama University, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (50234109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 聖美 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (40127569)
玉田 芳史 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90197567)
島田 幸典 京都大学, 法学研究科, 准教授 (50324596)
木村 幹 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (50253290)
麻野 雅子 三重大学, 人文学部, 教授 (10262982)
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Keywords | ナショナリズム / ポピュリズム / 移民政策 / 極右運動 / 国境管理 / 人権レジーム / 国際労働移動 / グローバリゼーション |
Research Abstract |
ナショナル・ポピュリズムについての理論的分析および実証な考察を通して、主として、移民外国人問題との関連において、欧米および日本を含めたアジア各国のナショナル・ポピュリズム運動の「性格」もしくは「特徴」について明らかにすることが本研究の主たる課題である。本研究の研究計画は、(1)ナショナル・ポピュリズム運動および移民外国人問題についての理論・先行研究の整理・考察、(2)研究地域における各国政府の移民政策やメディアの動向を含めたナショナル・ポピュリズム運動についての調査と分析、(3)これらの調査・研究データの分析に基づく当該研究地域におけるナショナル・ポピュリズム運動および移民外国人問題の現状と課題についての実証的な比較分析、という踏まえるべき3つの主たる段階から構成されている。平成20年度は、(1)および(2)の研究課題に継続的に取り組むとともに、主として、上記(3)の研究課題の達成に力を入れながら、「移民問題の政治化」という現象が顕著なものとなってきた新世紀における民族共生の諸条件についての検討を通じて、最終的に本研究課題の全体的なとりまとめを行った。研究代表者の河原は、研究課題の全体的な総括、ロシアをはじめとする旧ソ連・東欧諸国のナショナル・ポピュリズム運動および移民外国人問題についての実証研究を担当し、谷をはじめとするその他の研究分担者については、それぞれが受け持つ研究対象地域もしくは諸国のナショナル・ポピュリズム運動および移民外国人問題についての実証的な研究を進めた。なお、各研究分担者のこうした担当課題ととともに、玉田と中谷はそれぞれアジア地城およびEU域内についての最終的な総括を行い、また、島田はナショナル・ポピュリズム運動と移民外国人問題についての理論面からの結論的な提言を導く作業を遂行した。本研究の最終的な成果の一部として、研究代表者および研究分担者の研究をまとめた研究成果報告書(全198頁)を作成した。本報告書は2年間にわたる移民外国人問題とナショナル・ポピュリズム運動に関わる研究成果の一部であるが、本研究は、近い将来においてやがては到来するであろう本格的な移民時代を見据える形で、これからのわが国が進めるべき移民政策を模索する上での一助となるものであると考えられ、それ故、本研究成果報告書をもとにした学術書の刊行を現在計画しており、学術振興会の研究成果促進比の公募にも申請の予定である。
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Research Products
(5 results)