2008 Fiscal Year Annual Research Report
複合国家イギリスの社会変動と宗教に関する地域史研究:学際的アプローチ
Project/Area Number |
19310159
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
岩井 淳 Shizuoka University, 人文学部, 教授 (70201944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 園子 広島大学, 社会科学研究科, 教授 (10158199)
菅原 秀二 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (40216297)
富田 理恵 東海学院大学, 人間関係学部, 准教授 (80322543)
那須 敬 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (40338281)
中川 順子 熊本大学, 文学部, 准教授 (00324731)
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Keywords | 複合国家 / ブリテン帝国 / ピューリタン革命 / 宗教 / ウェールズ / スコットランド / アイルランド / アメリカ植民地 |
Research Abstract |
本年度は、とくに複合民族国家イギリスの地域的展開において重要な画期である、ピューリタン革命前後の時代に着目した。具体的にはイングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドという多様な民族からなる各地域が、この時期に、それ以前とは比べ物にならないほど緊密で複雑な関係を取り結び、複数の国からなる「複合民族国家」としての「ブリテン国家」が、また植民地までも含む「ブリテン帝国」が姿を現す過程を検討した。本研究は、研究対象がイングランドだけでなく、ウェールズ、スコットランド、アイルランド、アメリカといった多様な地域に及び、研究方法でも、狭義の歴史学だけでなく、西洋経済史や政治思想史、社会史、文化史といった多面的アプローチを行って、複合国家イギリスの特質を明らかにするという意義をもつ。平成20年度には、三年間におよぶ共同研究の中間総括を行うため、9月に札幌で、12月には広島で研究合宿を開催した。合宿では全員が報告し、研究代表者と研究分担者の意思疎通をはかり、共同研究の目的を明確にした。これらの成果は、以下に掲げる山田、富田、那須、中川らの研究成果に具体的に示されている。 共同研究の構成員は、研究計画に応じて、平成20年度に、イングランドに加えてウェールズとスコットランドに関する研究を進めるため、夏期に海外調査研究に出かけた。とくに富田はエディンバラにあるNational Library of Scotlandを中心とした史料収集と文献調査を行った。また、海外調査だけでなく、本研究課題に関わる雑誌・著書などは日本の主要大学にも所蔵されているので、国内でも大阪大学、東北大学、北海道大学、青山学院大学、明治学院大学、聖学院大学などの図書館で文献調査を行った。 加えて、本年度は、研究代表者の岩井と研究分担者の菅原が、アメリカ合衆国のハーヴァード大学に出かけデイヴィッド・アーミテイジ教授と会合し、次年度における教授招聘と研究会開催の打ち合わせを行った。
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