アフガニスタン出土仏教写本の研究

2010 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19320012
• Research Institution: Bukkyo University
• Principal Investigator: 松田 和信 佛教大学, 仏教学部, 教授 (90268128)
• Keywords: 仏教学 / アフガニスタン / 写本 / ガンダーラ / 大乗仏教

Research Abstract

本研究は、1990年代の初頭から中頃にかけてアフガニスタンのバーミヤン渓谷北部に位置するザルガラーン地区の石窟寺院跡から発見されて、ノルウェーのスコイエン・コレクションや我が国の平山郁夫コレクション等に引き取られた大量の仏教写本断簡類について、同時期に発見されたパキスタン出土写本も加えて、海外の研究協力者とともに解読と内容の比定を行い、出版を目指すものである。本年度は研究の最終年度であったが、アフガニスタン出土仏教写本の中から、特にノルウェーのスコイエン・コレクションに含まれる仏教写本類に対して、昨年度に引き続き海外の研究協力者と共同で出版を目指す解読作業を続けた。特に本年度はクシャーナ王朝および初期グプタ王朝時代のブラーフミー文字写本、およびカローシュティー文字によるガンダーラ語大乗経典写本を中心とする比較的早い年代の写本類について、海外の共同研究者数名を招いて解読研究を行った。さらに、パキスタンのギルギットから発見されたと伝えられるサンスクリット語による説一切有部教団の長阿含経写本や、同様のカローシュティー文字写本類を収蔵する平山郁夫コレクションの写本類に対しても解読を続け、出版に向けた準備を行った。