2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 温司 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (50177044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 資明 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (60135499)
鈴木 雅之 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (50091195)
小倉 孝誠 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (60204161)
並木 誠士 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (50211446)
喜多村 明里 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (90294264)
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Keywords | 肖像 / 歴史人類学 / 美術史 / 哀悼 / 類似性 / 仮面 / 記念 |
Research Abstract |
本年度は7月28日に第1回目の会合を開き、代表者の岡田が趣旨説明を行うとともに、各分担者の研究テーマを確認した。12月8日に行った第2回目の会合では、3人の研究発表を行った。すなわち、研究分担者の喜多村明里が、16世紀イタリアの女流画家ソフォニスバ・アングイッソラの肖像画および自画像について、研究協力者のロベルト・テッロージが「肖像の力」について、同じく研究協力者の石谷寛治が「クールベの肖像画」についての発表を行い、さらに参加者たちと議論を交わした。いずれも、本研究の趣旨に沿って、ジェンダー論、人類学、神話学、精神医学などの観点を取り込みながら、肖像ないし自画像の問題にアプローチした意欲的な発表であった。さらに、3月18日には、国立台湾博物館および台湾師範大学の協力を得て、台北国立博物館において、「肖像の東西比較文明論」という題目で共同シンポジウムを開催した。日本側から科研メンバー4名、台湾側からは、国立台湾博物館、台湾師範大学、台北大学から3名が発表し、さらにコメンテーターを加えて議論を行った。発表者と発表題目は以下の通りである。岡田温司「肖像のパラドクス」。篠原資明「目の中の星」。並木誠士「肖像としての騎馬像」。喜多村明里「ルネサンス期肖像美術の源流にみる呪術性と記念性-デス・マスクあるいはライフ・マスク」。林麗江「明の『帝鑑図説』からみる張居正の聖王像作り」。王淑津・翁佳音「17・18世紀の台湾原住民図像小論-ある物質文化の角度から見て」。林煥盛「国立台湾博物館所蔵潘敦仔肖像画修復報告」。日本、中国、西洋の「肖像」観の比較、類似点や相違点などについて、活発な議論が交わされ、互いの理解を深めることができた。今後も本科件の主催で、海外の研究者との意見の交換会、シンポジウムを企画する予定である。
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Research Products
(5 results)