• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2008 Fiscal Year Annual Research Report

「肖像」をめぐる脱領域的研究

Research Project

Project/Area Number 19320025
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

岡田 温司  Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (50177044)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 篠原 資明  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (60135499)
鈴木 雅之  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (50091195)
Keywords肖像 / 自画像 / イコン / アイデンティティ / 他者 / 歴史人類学 / 偶像崇拝
Research Abstract

本年度はまず、本科研の海外研究協力者の一人である、スイスのフルブール大学教授ヴィクトル・ストイキツァを招聘し、西洋近代の自画像についての講演会と、西洋における「顔」の表象についてのゼミナールを開催した。これらの講演等を通じて明らかとなったのは以下の点である。すなわち、近代の自画像は、一般に、個人としての主体のアイデンティティの確立を跡付けるうえで重要な証拠とみなされているが、実は、アイデンティティの撹乱や消尽へとつながっているということである。つまり、自画像も他者性の問題を抜きにしては考察することはできないということである。さらに、こうした問題をいっそう深めるために、ギリシア哲学・文学の専門家である平田松吾氏による、ギリシアにおける「顔=仮面」つまり「プロソポン」についての研究会を開催した。ギリシアにおいて顔ないし肖像は、近代のように内面の反映ではなくて、外へと向いたもの、他者との関係性へと開かれたものであったことが、それによって明らかとなった。さらに、人間にとって「他者性」は、あるいは「他者」との関係性は、また、「動物(性)」をめぐる問題ともつながってくる。動物の顔と人間の顔、それらを西洋がどのように捉えてきたのか、本科研のメンバーである柳澤田実が、刺激的な報告をおこなった。動物性と人間性とを厳密に区別して、後者を上位に置こうとする従来のヒューマニズム的思考の限界が指摘された。今年度新たに提起された問題意識を踏まえて、来年度の研究につなげたい。

  • Research Products

    (4 results)

All 2008

All Presentation (1 results) Book (3 results)

  • [Presentation] 半透明なるもの2008

    • Author(s)
      岡田温司
    • Organizer
      表象文化論学会
    • Place of Presentation
      東京大学教養学部
    • Year and Date
      2008-11-15
  • [Book] 肖像のエニグマ2008

    • Author(s)
      岡田温司
    • Total Pages
      310
    • Publisher
      岩波書店
  • [Book] フロイトのイタリア2008

    • Author(s)
      岡田温司
    • Total Pages
      316
    • Publisher
      平凡社
  • [Book] イタリア現代思想への招待2008

    • Author(s)
      岡田温司
    • Total Pages
      229
    • Publisher
      講談社

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi