2009 Fiscal Year Annual Research Report
語り手と女:ジェンダーを巡るイランの文学的言説の研究
Project/Area Number |
19320051
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤元 優子 Osaka University, 世界言語研究センター, 教授 (40152590)
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Keywords | 外国文学 / イラン / ジェンダー / 国際研究者交流 / イラン:イギリス:アメリカ:ドイツ |
Research Abstract |
平成21年度は、研究計画第二段階の「ジェンダーの構造的理解への深化」に入り、以下の活動を行った。 1. イランおよびドイツにおける現地調査および資料収集:研究代表者の藤元優子が平成21年9月18日から28日、連携研究者のタンハー、ザフラー ターヘリーが平成21年12月20日から22年1月6日の期間、イラン=イスラーム共和国に出張した。藤元は作家および現代文学研究者との意見交換を行い、資料を収集した。タンハーは、女性による民間歌謡の収集を行った。また、連携研究者山中由里子は、古典文学に関する意見交換と資料収集のため、平成22年2月23日から3月5日までドイツのバンベルグ大学に出張した。 2. 講演会および研究会の実施:平成21年6月6,7日の両日、オックスフォード大学ホマー・カートゥーズィヤーン氏を招いて、「サーデク・ヘダーヤトと女性」と題した講演会を開催し、現代文学最大の小説家の描く女性像に関して活発な論議を行った。また、同年11月28,29日の両日には、著名な小説家シャハルヌーシュ・パールスィープール氏の「サーデク・ヘダーヤトと私」、およびイランの人文科学研究所教授タキー・プールナームダーリヤーン氏による「ペルシア古典文学の中の女性」の二つの講演を含む研究会を開いた。前者の講演とその後の全体議論は、大作家の抱く女性像が次世代の作家に与える影響について出席者に多くの示唆を与えた。また、後者の講演は、ペルシア文学全体を俯瞰した女性観を提示して、各研究者に大いに刺激となった。 3. 個人研究の進行:各研究者は、今年度の研究会での成果を踏まえ、平成22年11月に開催予定の国際ワークショップに向け、各自の研究対象についての研究を進めるのみならず、各時代の文脈に置き直しての考察を始めており、上記の研究会で進捗状況を報告した。
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Research Products
(5 results)