2009 Fiscal Year Annual Research Report
文の語用的機能と統語論:日本語の主文現象からの提言
Project/Area Number |
19320063
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
長谷川 信子 Kanda University of International Studies, 言語科学研究科, 教授 (20208490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 喜雄 神田外語大学, 言語科学研究科, 教授 (50203675)
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Keywords | CPシステム / モダリティ / カートグラフィ / 極小主義 / 情報構造 / 文の語用機能 / 統語構造 / 文末表現 |
Research Abstract |
本研究の目的は、文の語用機能と統語構造の関係を、そうした現象が豊富でかつ特徴的に現れる日本語を重点的に考察することで、日本語の統語構造を精緻化し、かつ、それを可能にする統語理論の方向性を探ることにある。本研究の最終年度である本年度は、成果を取りまとめ広く公表することを目指し、統語構造が、談話・情報構造・語用的意味にどのような役割を果たすのかを、(i) 主文のモダリティ語尾と主語の関係(長谷川)、(ii) 主文の「発話の力」と文の構造の関係(長谷川)、(iii) 終助詞の振る舞い(遠藤)から考察し、文のCP領域における主要部と指定部の関係について具体的な提案を行った。その知見を、国内外からの研究者を集めての研究会((a) 2009年6月の日本言語学会での公開シンポジウムにて、Luigi Rizzi氏、井上和子氏を交えて発表・討論;(b) 2009年9月に都内で「命題を超えて」と題するワークショップを研究協力者の宮川繁氏、富岡聡氏、〓原和生氏、奥聡氏、佐野まさき氏を交え開催)にて広く公表し、それらは、昨年度までの成果と共に、論文11編からなる研究論文集『統語論の新展開と日本語研究:命題を超えて』(長谷川信子(編・著))として編纂した。これは年度内に入稿が完了しており、2010年秋に開拓社から刊行予定である。本研究の実質的な大きな成果である。その他の成果も紀要別冊として公刊予定である。 さらに、本研究の成果を海外においても公表するために、代表者の長谷川は、2009年11月にHarvard/MITのセミナーにて招待講演、2010年3月にPhiladelphiaでのアジア研究学会(AAS)年次大会のパネルにて発表を行った。
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