2010 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本語感動詞の実証的・理論的基盤構築のための調査研究
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19320067
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
友定 賢治 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (80101632)
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Keywords | 感動詞 / 地域差 / アンケート調査 / 感動詞研究の枠組み |
Research Abstract |
平成22年度の大きな事業は、現代日本語感動詞の地域差を知るための全国アンケート調査であった。これまだ、応答詞程度しか詳細な地域差は解明されておらず、他の語類に比べて、地域差のありように違いがあるのか、あるいはどのように地域差が生じたのかなどはまったくわかっていなかった。本アンケート調査では、全国2000地点の調査を行った。担当した小林(東北大学)のところで、現在集計や分析を進めているところである。すでに「失敗したときの感動詞」や「驚きの「バ」」「猫を呼ぶときの掛け声」などの発表が小林によってなされつつある。今後、アンケート結果を集約する形で発表する予定であり、それが公になれば、方言形成論、言語地理学等に影響を与えることが出来るであろう、 また、実質的には22年度末が最終年度であったため、ワークショップを開催し、感動詞研究の大きな枠組みを確認することが出来た。理論的研究、記述的研究、歴史的研究、地理的研究、会話分析的研究、対照言語学的研究である。それぞれに該当する論文を研究メンバーが担当して執筆し、14編の論文からなる『感動詞の言語学』(ひつじ書房)として、平成24年秋には刊行できる見込みである。これにより、感動詞の研究は新しい段階に入るものと考える。 この4年間の研究機関を通じて、感動詞研究の面白さや重要性を訴えてきた。学界全体にも、感動詞に注目した研究発表や論文が急速に増加しており、我々の行ってきた研究は、先駆的な研究としての意味を持ったものと確信している。今後、パラ言語等にも視野を広げ、ますます研究を盛んにしていきたいと思う。
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