2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320071
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
中島 信夫 Konan University, 文学部, 教授 (20155708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有村 兼彬 甲南大学, 文学部, 教授 (70068146)
福島 彰利 甲南大学, 文学部, 准教授 (20199201)
中谷 健太郎 甲南大学, 文学部, 准教授 (80388751)
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Keywords | CP / IP / 融合説 / 遂行文 / 陳述 / 伝達節の音響特性 / 境界部分の休止 / 否定対極表現 / 複雑述語 |
Research Abstract |
研究者4人それぞれ以下のような成果が得られた。 1.[統語論の立場から](有村) 節構造の分断が生じるケース(例えばIwonder where did you come up with your style?)は、典型的にCPのSpec位置とC主要部の性質と深く関わっていると思われる。最近、CP/IPの関連性が問題にされ、CP/IPが融合するsyncretismを想定する説が提出されるようになった(Fortuny(2008))。2008年度はFortunyが提唱する融合説をを詳細に検討し、この考えかたが節構造の分断とどのように関連するか検討した。 2.[意味論・語用論の立場から](中島) 前年度に続き遂行文の意味論・語用論的考察を行った。遂行文は陳述を行うとする考えかたと行わないとする考えかたがあるが、その両方の両義的であるとの結論に達した。つまり、通常は陳述をする意味がないので発話行為を遂行するだけであるが、修飾部が加わって陳述をする意味が出てくる場合には行為遂行に加えて陳述も行うと考えられる。 3.[音声学・音韻論の立場から](福島) 伝達節,及び関係代名詞説が挿入された文章の音響特性を調査対象とした。主節の関係代名詞節が挿入された場合,文主語と関係代名詞節はほぼ同じ音調を持ち,かつ節の境界部分には休止が生じるという共通点が見いだされた。一方、伝達節が挿入された場合,伝達節が短ければ境界部分に休止が生じやすく,逆に長い場合には休止が生じにくい傾向が見られた。さらに,文主語と伝達節の間には音調が一致するという傾向は見られなかった。 4.[文理解の立場から](中谷) 前年度に行った日本語の否定対極表現と否定辞の局所性・分断性のリアルタイム処理についての自己制御読み実験を改善して追試を行った。その成果はCUNY2009において発表され、実験デザイン,分析方法、実験方法などについて他の研究者からの有益なフィードバックを得ることができた。また、日本語の、クルとイクを用いた複雑述語における動詞の共起制限について、事象の収束という観点から分析を試み、論文にまとめて発表した。
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Research Products
(7 results)