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2010 Fiscal Year Annual Research Report

多文化共生社会におけるビジネス共生日本語教育の構築と教員養成に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19320075
Research InstitutionOchanomizu University

Principal Investigator

岡崎 眸  お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (80223999)

Keywords社内コミュニケーション / ビジネス日本語 / アンケート調査 / インタビュー調査 / 海外進出日系企業 / 現状認識 / 相互理解 / 国際研究者交流
Research Abstract

在タイ日系企業で働くタイ人社員を対象に実施したアンケート調査から、タイ人社員が、日系企業で働くことに対して違和感・不満を感じる傾向があり、タイ式のやり方が受け入れられないことを問題視していることが分かった。
在中日系企業で働く日本人・中国人社員に実施したアンケート調査では、職場環境や社内コミュニケーションについて日本人と中国人の認識の差を明らかにし、その要因を探った。結果、中国人社員のほうが日本人社員より、コミュニケーションと職務遂行に問題を感じ、職場に不満を持っていた。管理職に対するインタビュー調査では、[日本人と中国人がともに働くこと]に対する認識を抽出し質的に分析した。管理職間では相互理解をしているが、日本人は中国人ワーカーを「自分のことしか考えない」と捉え、中国人管理職はワーカーが礼儀を身につけることが大切と認識していた。
在韓日系企業の韓国人社員と日本人社員を対象としたインタビュー調査では、両者が社内コミュニケーション上の問題をどう捉え対処しているかを探った。語られた問題は[言語][仕事][文化・価値観]の3種に分類できた。[言語]の問題として、韓日ともに話し方の違いが挙げられ、[仕事]上の問題では、韓国人社員から仕事の取り組み方や上下関係について多く言及された。[文化・価値観]の問題では、韓日ともに、相手の持つ偏見について語られ、感情の出し方やプライバシーへの言及があった。このような問題に対し、韓国人社員からは何らかの対処をしていることが語られた。
このような調査結果から、ビジネス日本語教育は日本語母語話者も対象として捉え直す必要があり、日本語教育が社員間の対話の促進に寄与すべきであることを提起した。また、本年度は、台湾での調査結果も含めた過去4年間の研究成果をまとめて報告書を作成し、調査協力先や関係者に配布して公開した。

  • Research Products

    (4 results)

All 2011 2010

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 在台湾日系企業の社内コミュニケーションに対する駐在員の認識2011

    • Author(s)
      唐澤麻里・野々口ちとせ・陳明涓・孫愛維・河先俊子・岡崎眸
    • Journal Title

      お茶の水女子大学 人文科学研究

      Volume: 7 Pages: 125-138

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 中国人従業員と日本人従業員は「在中日系企業で働くこと」についてどう考えているか-製造業におけるインタビュー調査から-2011

    • Author(s)
      三輪充子・野々口ちとせ・劉娜・張瑜珊
    • Journal Title

      第6回中日韓文化教育研究フォーラム論文集

      Volume: (印刷中)

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 在中日系企業における日本人と中国人社員の意識調査-職場環境に対する現状認識を中心に-2011

    • Author(s)
      劉娜・孫愛維・近藤彩・徳永あかね・矢高美智子・尹松・穆紅
    • Journal Title

      第6回中日韓女化教育研究フォーラム論文集

      Volume: (印刷中)

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 在韓日系企業社員の社内コミュニケーションに対する捉え方-韓日両社員の問題認識と対処を中心に-2010

    • Author(s)
      金志宣・曹英南・朱〓淑・尹喜貞
    • Organizer
      2010年韓国日本学会 傘下学会連合学術大会
    • Place of Presentation
      韓国・翰林大学校
    • Year and Date
      2010-09-11

URL: 

Published: 2012-07-19  

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