2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320079
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大井 恭子 Chiba University, 教育学部, 教授 (70176816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
アレン玉井 光江 千葉大学, 教育学部, 教授 (50188413)
杉田 克生 千葉大学, 教育学部, 教授 (40211304)
西垣 知佳子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (70265354)
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Keywords | 英語教育 / リタラシー / 小学校英語 / 反応時間 |
Research Abstract |
本研究はこれまで消極的にしか取り扱われてこなかった「小学校における英語リタラシー教育」を推進しようというものである。具体的には、本年度は昨年度に引き続き、以下の点を明らかにすることを研究の目的としていた。(1)英語と書字体系が異なる日本語を母語とする日本人学習が英語の文字を習得していく過程を科学的に解明する、(2)日本人学習者の入門期におけるアルファベット学習の現状と困難点を精査する、(3)これまでの研究成果に基づき、日本の小学校における英語リタラシー教育のガイドライン及び体系的シラバスを策定する、というものである。リタラシー獲得のために必要であるアルファベット知識と音韻認識能力に関しては、小学校5-6年生を対象にした調査の結果、語彙のスペル知識と有意の相関があることがわった。文字認識というreceptiveな力より、書き取りというproductiveな力が語彙の音韻認識に影響していることが確認された。中学校1-3年生を対象にしたmismatch法による反応時間を計測する検査の結果、Kroll & Stewart(1994)の「改訂階層モデル」を裏付ける結果となった。また中学一年生を対象にした意識調査から、小学校英語から中学校英語への隔絶の大きさが読み取れた。それは主に、読み書き、すなわちリタラシー教育に関する部分の小中の違いに起因する。小学校においてもリタラシー教育を入れて行くことで、この隔絶が少しは埋まって行くのではないかと考えられる。これまでの研究成果を活かし、小学校5年生から公立小学校で文字指導を始める場合に適合するカリキュラムを作成し附属小学校で実践し、成果を上げた。これらの研究成果を冊子体の報告書としてまとめた。
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Research Products
(5 results)