2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヘレニズム時代エジプト領域部における文化交流と二言語併用社会の研究
Project/Area Number |
19320096
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
周藤 芳幸 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70252202)
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Keywords | エジプト / 採石場 / ヘレニズム / 文化交流 / デモティック / プトレマイオス朝 / パピルス学会 / グラフィティ |
Research Abstract |
本研究は、ギリシア語及びデモティックによる膨大な未刊行グラフィティが残されている中エジプトのザウイエト・スルタン採石場の現地調査を中心として、ヘレニズム時代エジプト領域部における文化交流と二言語併用状況の実態を解明することを目的としている。これまで行ってきた研究の蓄積を踏まえて、最終年度にあたる平成22年度は、グラフィティに関してこれまで現地で蒐集してきたデータを日本語と英語による論考及び写真とともに報告書の形で公刊した。また、研究成果を国際学界に向けて発信するため、平成22年8月20日に、ジュネーヴ大学で開催された第26回国際パピルス学会において、名古屋大学客員研究員の高橋亮介氏とともに研究発表を行ったが、その報告は査読を経て学会報告集への収録が決定している。さらに、同年11月25日には、グラフィティの解釈をプトレマイオス朝エジプト史の文脈に位置づけるために、名古屋大学においてイェール大学教授のジョー・マニング博士による講演会を開催し、平成23年3月10日には、動物考古学の視点から該期の社会を考察する緒をつかむため、アテネ大学教授リリアン・カラリ博士による講演会を開催するなど、本研究の成果の国際的な認知に向けた活動も行った。
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